脳炎ワクチン

 ひさしぶりにワクチンの記事です。2012年10月17日、一人の小学生が、日本脳炎の「新ワクチン」接種5分後、心肺停止で死亡するという事件がおきました。誰しもワクチンによるアナフィラキシーショックを疑いますが、厚生科学審議会・予防接種部会は、半月もたたないうちに、全会一致で「ワクチン続行!」を決定。政府も学者も医師も、市民を守ろうとしない日本。でも、情報社会だから、お母さんたち、ネット検索してワクチンがいかに危険かを知って下さい。
脳炎ワクチン接種中止は必要なし 厚労省の小委員会 
10月31日 日本脳炎ワクチン接種後の子どもの死亡例や、脳脊髄炎発症が報告されたのを受け、厚生科学審議会(厚生労働相の諮問機関)予防接種部会の小委員会は31日、症例内容などを精査し「現時点で接種の中止は必要ない」と結論付けた。死亡と接種の因果関係は明確でなく「引き続き調査、検討が必要」との認識で一致。「予防接種制度の信頼を高めるには迅速な情報収集に基づく評価を行うべきだ」とした上で、接種を中止する場合の基準を定める必要があると指摘。日本脳炎ワクチンでは、今年7月に接種を受けた10歳未満の子どもが急性脳症で死亡。10月には小学5年の男児(10)が接種直後に急死。
http://www.47news.jp/CN/201210/CN2012103101001405.html

<日本脳炎>予防接種後に小5男児急死岐阜・美濃

毎日新聞 1018()155分配信
 17日午後5時15分ごろ、岐阜県美濃市藍川の「平田こどもクリニック」で、日本脳炎の予防接種を受けた同県関市の小学5年生の男児(10)が約5分後に意識不明、心肺停止状態になり、約2時間後に搬送先の病院で死亡が確認された。県警関署が死因を調べている。同クリニックや同署によると、男児は母親(36)に連れられ、妹と一緒に予防接種を受けた。妹に異常はないという。男児は本来は3~4歳で計3回受ける「1期接種」を受けておらず、今回初めて接種を受けたという。接種を行った医師は「ワクチンは1人分ずつ用意しており、用量は間違えていない。思いあたる節はない」と話している。同クリニックでは週5、6人に日本脳炎の予防接種をしているという。厚生労働省は、日本脳炎の予防接種について、重い副作用が報告されたことから05~09年度は積極的な勧奨を差し控えてきた。新ワクチンが開発されたため10年度から再開していた。

 以下、厚生労働省HPをベースに、この新ワクチンの特徴を見てみましょう。
 まず、現在、使用されている「乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン」の作り方。 
 「脳炎ウイルスを、アフリカミドリザルの腎臓の株化細胞(Vero細胞)の中で培養、増殖させ、取り出したウイルスをホルマリンで処理した不活化させ(感染性をなくすこと)た後、精製し、安定剤を加えて製造する」
 以前、本ブログでもワクチンの中身を紹介しましたが、基本は変わっておらず、動物の細胞と病原体を化学物質で処理したものを体内に注入するわけです。古い脳炎ワクチンで使用していたマウスの脳細胞は、副反応・病気の出現率との関係が否定できないとして中止され、ミドリザルになったのですが、ワクチン培養のためにサルも大虐殺されているのでしょう。
 新ワクチンには、武田薬品工業㈱のジェービックV(平成21年2月23日薬事法の承認、同年6月2日から供給開始)と、アステラス製薬㈱のエンセバック皮下注射(平成21年1月17日承認、4月供給開始)の二種類があります。添付文書に記された副作用(今は副反応と言います)は以下の通り。
 「ジェービックV・・・生後6カ月から90月未満で、123例中49例(約40%)に副反応あり。主な症状は、発熱(18.7%)、咳嗽(11.4%)、鼻漏(9.8%)、注射部位紅斑(8.9%)。
 エンセバック・・・163例中84例(51.5%)に副反応。主な症状は、発熱(21.5%)、注射部位紅斑(16.6%)、咳嗽(8.0%)、注射部位腫脹(6.7%)、鼻漏(6.7%)、発疹(5.5%)
 その他にショック、アナフィラキシー様症状、急性散在性脳脊髄膜炎(ADEM)、脳症、けいれん、急性血小板減少性紫斑病などの重大な副反応がみられることがあります。
 平成22年に届けられた副反応報告数は148件で、39℃以上の発熱70件、けいれん12件。脳炎・脳症が3件ありました。」
詳細は:
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001sig7.html

 報告数には「予防接種との関連性が考えられない偶発事象も含まれる」とカッコ書きがありますが、全症例が報告されているわけじゃあるまいし、副反応出現率は、実際はもっと高いと思われます。そのせいか、厚生労働省は薬事法の承認と同日、「乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン製剤の使用に当たっての留意事項」(平成21年2月23日付医薬食品局審査管理課長通知)を発し、注意を呼びかけています。
「国内ではVERO細胞を用いて製造される初めての医薬品となること、海外では他の細胞培養ワクチンにおいてADEMが報告されていること等から、本剤の使用に当たっては、重篤な副反応に関するデータの収集及び評価を行なうこととされており、今後も十分注意が必要であると考えられています」
日本脳炎ワクチン接種に係るQA 別添 – 厚生労働省

 厚生省にしてはえらく慎重だったわけですが、その後、積極策に転じ(平成22年「積極的勧奨を再開」)、すべての子どもに脳炎ワクチンを打つという強迫観念に取り付かれた模様。とんでもありませんね。脳炎ワクチンだけじゃなく、すべてのワクチンは有害だというのに。2012.10.31

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/