放射能汚染灰・土壌はどこへ行く?

 今のところ、放射能汚染土壌の処分場の設置を求められているのは、岩手、宮城、福島、栃木、群馬、茨城、千葉、新潟、東京の9都県。一部は被災地、一部はがれき受け入れ地で、いずれもごみ焼却炉や下水汚泥処理施設から8000ベクレル/㎏以上の焼却灰が出て来た地域です。善意でがれきを受け入れても、そこから出た高濃度の灰(指定廃棄物)は「自区内処理」でやりなさいってことで、まんまと「絆」にだまされたわけですね。国は予算をつけて国有地を提供するだけだから、処分場予定地の周辺地域には、新たに、山のような「安全神話」と、山のような裏金が飛び交うことでしょう。
 ところが、福島の指定廃棄物だけは、どうしても広域で処理したいらしい。

汚染土壌:「福島県外処分」長浜環境相、特措法改正を検討
毎日新聞20121002 2046分(最終更新10022050分)
 長浜博行環境相兼原発事故担当相は2日、毎日新聞などとのインタビューで、東京電力福島第1原発事故の除染で出た汚染土壌などの最終処分に関し、政府が閣議決定した「30年以内に福島県外で最終処分する」との方針を盛り込むため、放射性物質汚染対処特措法の改正を検討する考えを示した。長浜氏は「特措法を見直す形で書き込み方があるかどうか検討はできる」と述べた。福島県側には、汚染土壌などを一時保管する中間貯蔵施設が「そのまま最終処分場となるのでは」と懸念する声がある。このため同法に「県外処分」を明記することで、地元の懸念を払拭する狙いだ。政府は8月、大熊、双葉、楢葉3町の計12カ所県を中間貯蔵施設の建設候補地とし、現地調査の実施を提案したが、地元は回答を保留している。

http://mainichi.jp/select/news/20121003k0000m010081000c.html

 あくまでも前環境相のお約束(閣議決定)を守って、汚染を拡散で行こうというわけで、この時点で長浜、環境相の資格なし。汚染土壌や指定廃棄物の行き先は東電敷地しかないのにね(私はフクイチ処理事業へ影響を及ぼさない距離に、無人区を作るしかないと考えます)。
 いずれにしても、がれきを受け入れている地域のみなさん、次はすぐに処分場問題が起こるはず。ごみ焼却そのものの見直しも含め、政府を厳しくウオッチして下さい。2012.10.3

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/