がれき最終処分量、6割減

 さらに大幅下方修正されたがれきの量。いったい、何がほんとなの?(強調筆者)
 
石巻地区と亘理がれき最終処分量大幅減
2012年10月04日
 東日本大震災で発生したがれきの焼却灰などを埋め立てる最終処分について、県は3日までに、石巻地区(石巻市、東松島市、女川町)と亘理町の最終処分量を、想定の4割にあたる計約21万トンに減らせるとの見通しをまとめた。これに伴い、「広域処理」の量も減る。がれきの推計量や最終処分量の大幅な減少で、処理費用も約491億円減らせる見込みだ。
 がれきのうち焼却灰や不燃物、津波堆積物などを埋め立てる最終処分の量は、石巻地区が7月に予想した33万1千トンから15万トンに減り、亘理町が19万6千トンから5万9600トンに減る。県によると、焼却灰や汚泥を再利用するめどがたったことが大幅な減少につながった。石巻では、焼却灰や汚泥をセメントと混ぜて固め、盛り土や地盤のかさ上げの材料として石巻港の埋め立て工事などに使う。亘理町では、がれきを選別する設備を増強。手作業で選別した後のがれきを細かく砕き、分別しやすくして盛り土材などとして使えるようにする。がれきの推計量が石巻と亘理で計679万トン減ったことに加え、最終処分量も減少したことで処理費用も減らせる。県は、がれき処理を委託している共同企業体(JV) との契約額を見直す方針で、石巻は1483億円(当初比441億円減)、亘理は493億円(同50億円減)になる。県外に引き受けてもらう焼却灰や不燃物など「広域処理」の量も減る。県は43万トンを県外で埋め立て処理してもらう予定だったが、今回の見直しで8万トン前後に減らせる見通しだ。県の担当者は「依然として広域処理は必要な状況だが、県内で最大限の処理をできるように努める」としている。(平間真太郎)
http://mytown.asahi.com/miyagi/news.php?k_id=04000001210040002



がれき最終処分量4割に 石巻、亘理分を圧縮
 2012年10月3日
 宮城県は2日、東日本大震災で発生した石巻、亘理両地区のがれきのうち焼却灰や不燃物、津波による土砂などを埋め立てる最終処分量が7月の精査段階(計52万7000トン)の4割まで圧縮するとの見通しを明らかにした。県が被災市町から処理を受託した他の6地区でも再精査を実施。リサイクルや分別を徹底することで最終処分量をさらに絞り込む方針。
 県は広域処理による埋め立てを全国の自治体に働き掛けているが、福島第1原発事故に伴う放射能不安の影響で難航している。国が示す処理期限(2013年度末)内の完了を達成するため、処分量の圧縮で県内処理割合の拡充を図る。がれき発生量が県内最大の石巻地区(石巻市、東松島市、女川町)の最終処分量は震災当初、90万4000トンと見込んだが、7月下旬の精査の結果、33万1000トンに圧縮。今回、焼却灰や土砂をセメントと混ぜて固化し、盛り土や地盤かさ上げに再利用することで15万トンにまで減らす
 亘理地区(亘理町)は当初22万7000トンだったが、7月に19万6000トンまで圧縮した。今回は新たな選別機器の導入でリサイクル率を拡大。5万9600トンまで減量できる見込みとなった。7月段階での県内全体の最終処分量は77万2000トン。石巻、亘理両地区の圧縮分を差し引くと45万4600トンになる。県は残る6地区でも最終処分量の再精査を進め、来年2月の県議会2月定例会をめどにまとめる。大幅な圧縮ができた場合、各地区ごとの焼却処理業者との委託契約内容を変更する方針だ。
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/10/20121003t11015.htm
 正直、非常にわかりにくい記事です。第一、これまで「がれき」と呼ばれるものの中には焼却灰なんか入っていなかったはず。「がれき」を処理して初めてがれき焼却灰が発生するのだから、この点だけでも、この記事には何かごまかしがあります。絶対確かめなければいけないこと…いったいどこから来た焼却灰なの?
 次に、「減少した」と強調してるけれど、決してがれきの量そのものが減ったのではなく、「災害廃棄物」として処理すべき分を、リサイクルに回す、というだけの話。前回の下方修正からほとんど間をおかず、再下方修正ととれる報道のウラにはそれなりの事情がありそう。
 三番目が、リサイクルが最終処分より良い、みたいな書き方。がれきを「ごみ」として最終処分する場合は、それなりの厳しい規制と管理が求められますが、リサイクルの場合、がれきは「資源」とされるので、ノーチェックで建設資材などに使われるわけ。安全性が確保されないから、私は森の防潮堤とか鎮魂の森とかいうアイデア(本来環境省プロジェクト)にも反対なんですけどね。
 四番目が、どの記事も、当初からがれきの量を過大評価してきた学会・環境省・業界の責任を問うていないこと。メディアはいまだにがれき広域処理の悪質性に触れたがらない。
 …環境省は、行き場がなくなった各地の焼却灰(現地の仮設焼却炉から出た物も含め)をこういう形で「現地処理」しようとしているんのかもしれません。リサイクル、といえば反がれき派も安心するなんて思ってない? 你错了!2012.10.4

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/