一県一コの放射性廃棄物処分場計画

 環境省は各県に1コ、放射線廃棄物の処分場を作る予定のようです。今出ているのは9都道府県ですが、おそらくこれに、大阪や北九州を加え、いずれは全国展開するつもりでしょう。それらのうちいずれかが、満杯になりかけている六ヶ所村高レベル放射性廃棄物の処分場に代わることになる。今はその前哨戦といったところです。
汚染廃棄物の処分場、候補地選定ずれ込む県も
2012年9月26日18時44分  読売新聞
 東京電力福島第一原発事故で放射性物質に汚染された「指定廃棄物」の最終処分場建設を巡って、横光克彦環境副大臣は26日の記者会見で、茨城や千葉など5県の候補地選定について「工程表では9月中だったが、適地を選定するのが難しく、ずれ込む県もある」と述べた。環境省によると、指定廃棄物は9都県で4万2575トン(8月3日現在)が発生しており、既存の最終処分場では処理できない栃木、茨城、千葉、群馬、宮城の5県は、国の責任で候補地を選定して建設する。だが、これまで同省が候補地を提示したのは栃木県だけにとどまっている。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20120926-OYT1T00722.htm
 今出ているのが茨城県高萩市(1709トン、5市町で分散保管中)、栃木県矢板市。いずれも国有地を利用するということですが、地元市町村は大反対…でもね、両県ともがれき受け入れ大賛成なのよ。茨城県では、線量が高いにもかかわらず、多くの議会が受け入れ賛成決議を上げるという蛮勇ぶりを発揮・・この人たち、がれきを受け入れれば、いずれこうなることが本当に予想できなかったの?
茨城県知事、震災がれきの受け入れを表明
< 2012年3月22日 23:26 > 東日本大震災で生じたがれきの処理をめぐり、東北地方と同様に被害を受けた茨城県の議会が22日、県に対してがれきの受け入れを求める決議を可決し、橋本昌県知事が受け入れを表明した。茨城県議会が22日に可決した決議は、同じ被災地として支援するために震災がれきを県内に受け入れるよう求めている。これを受け、橋本知事は正式に茨城県として受け入れを表明した。  橋本知事「(県内の)市町村長や議会も前向きに取り組む姿勢を見せてくれているので、私どもとしては一緒に調整しながら進めていきたいと思っています」県は今後、市町村や民間の業者に協力を求めていく方針。
 
たとえ低レベルでも、放射能を含むごみを燃やせば、焼却灰に放射性物質が濃縮するのは当たり前。特別の処分場が必要になるのは時間の問題なんですよ。環境省は最初からそこまでデザインしている。処分場を止めようと思ったら、まず焼却炉を止めるこったね。2012.10.2

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/