報道されない、汚染「タイレノール」事件

 なぜ J&J の小児薬「タイレノール」汚染が、日本で問題になっていないのか? 中国では国家食品薬品監督管理局が「中国市場には入って来ていない」との調査結果を発表していますが、日本では消費者庁のサイトにさえ何もなしhttp://www.caa.go.jp/。それどころか2009年9月に成立したばかりのこの庁、さっそく事故隠しが問題になったというから、ひどい
http://www.neworldjp.com/Show/34475座長も委員も素人ばかり、しかも薬事法関連の製品は扱わず、キーワード検索しても、結果はゼロでした。何のための庁なのか。
 しかし、たとえタイレノールの公式サイト、消費者庁、メディアがみんな沈黙しても、普通は、NGOが声をあげ、情報を伝えてくれます(私もそれで知りました)。日本にはそんなNGOはないのでしょうか? だとしたら、日本の消費者は非常に危険な状況におかれています。
 こういう明らかな情報隠しの裏には、カネがからむことが多いので、株をやっている人は特に注意を。アメリカではすでに「J&Jの株は大丈夫」という記事さえ出ています。投資指南のバロンズが、同社の経営は上向き、と「買い」を勧めたのが数日前。
http://online.barrons.com/article/SB127266729323884927.html#articleTabs_panel_article%3D1
 世界60カ国に250の生産基地を持ち、S&Pの3A評価を得ている全米四社の一つである同社、実は09年末には140億ドルの赤字で(対株主エクイティ500億ドル比)、経営建て直しの真っ最中でした。その中心になるのが、利益率の高い大衆薬だから、このヨイショ記事はほとんど偽証罪で、市民はこれに強く反発し、議論になっているのです。
 この事件は、
単なる表示ミスや薬効製の問題ではなく、薬品そのものの汚染―子どもたちの危険―につながるのですが。この記事を読まれた方、どうぞお友だちにもお知らせ下さい(特に子どもをもつお母さんたちに)。
 参考:
http://www.portfolio.com/views/blogs/heavy-doses/2010/05/03/johnson-and-johnson-image-takes-beating-with-latest-recall (問題を知らせる記事ー英文)

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/