ジョンソン社の小児薬、汚染で大量リコール

 ジョンソン・アンド・ジョンソン社の小児用医薬品が大量リコールを出し、世界中で問題になっています。中国(現地生産)でも、ネットで騒ぎになっている模様。「どうするんだ!」って。でも、日本の報道には見当たりません。調べてみたら、おどろくことに、「医薬品」はそもそもリコール情報の対象にもなっていませんでした!! 
 リコールされたのは、タイレノール、モトリン、ザーテック、ベナドリルなど、4ブランド44品目にものぼります。米・食品医薬品局(FDA)の調べでは、これらの製品は危険なバクテリアと、その他不明な物質で汚染されていて、薬品には「黒い斑点が目に見える」ほどだったといいます。しかも、USA Todayによると、製造会社のマクニール社は、汚染を知りつつ製品を発送し続けていた、というから、あいた口がふさがりません。
 さらに驚くのは、FDAはこのような製造上の問題を認識しながら、「汚染は深刻ではない」として、製品を強制回収していないこと。同社の処分もしていません。
 日本でも、タイレノールの公式サイトにも、リコールについては何のコメントもなし。(http://www.tylenol.jp/answer.html(2010・5・7・14:40アクセス)ようやく探し当てたニュースには、「今のところこれらの小児医薬品の服用による深刻な副作用の可能性は低いものの、これらの製品を子供に服用しないよう保護者に呼びかけています」とあるだけでした。http://www.fujisankei.com/video_archive.asp?y=2010&m=5
 大手企業と行政の絆が強いのはどこも同じで、世界二位の製薬会社の金力を生かし、J & J社は――死者でも出ない限り――このままほとぼりが収まるのを待つだけでしょう。
 でも、これらはいわゆる大衆薬(OTC、over-the-counter )ですから、何も知らない市民が、これを子どもに与える危険性は残ります。その結果、子どもたちに何か症状がおきても、両親には、症状の発生と薬の関係を証明することなどできず、泣き寝入りとなるでしょう・・・いつもの薬害被害のパターンです。
 予防接種の害についても色々と書いてきましたが、「薬」にもまったく同じ問題が潜んでいます。子どもたちに「熱さまし」を手軽に与えるのは、実はとても危険かも。2010.5.7

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/