南足柄市ってこんなとこ?

 昨日、私も急きょ、南足柄市の「説明会」を取材しました。会場に入ったのは開始から一時間も過ぎていたので、市の説明は終わって、質疑に入っていました。

 で、さっそく、Q&Aを記録し始めたのですが、すぐに違和感を覚えました。集まっていたママさんたちはーーとても真剣だったけれどーー決して「反対」を口にしないのです。で、匿名メールの「市から反対意見を言う人は来るな」といわれた、ということを思い出しました。

 あのねえ、それって言論統制なんですけど。もちろん憲法違反、公務員法違反。誰がどういうルートでそう伝えたのか、調査しなきゃ。

 でも、まさかママさんたちがそれを忠実に守っているとは思わなかった。それどころか、市長や副市長がまともに答えてもいないのに、「わかりました」「誠意は感じました」「こういう場をもっていただいてありがたい」「今後は市からの情報を頼りにしたい」云々……

 まあ、市のウソ(県のウソをそのままリレー)が見抜けなければ、ウソを信じるしかないのかもしれません。印象的だったのは、各地のがれき問題と戦っている市民と比べ、「怒り」が感じられないことでした。で、会の後、何人かに聞くと、「(魚網受入に)反対じゃないです」「賛成も反対もまだ決めていません。それを決めるための話し合いです」…?? 

 ・・・う~ん、ママさんたちがどう思おうと、この説明会は「不満のガス抜き」です。市は、これを口実に、「話は聞いてやった、誠意は尽くした、だから次に行く」となるはず。100トンだし、のんびりお勉強している間に、埋め立ては終わってしまうでしょう。

 
 がれき広域処理は基本的に県の事業であり、市はその下請けなのです(再々受託者)。市長は、問題が起きれば県が責任をとってくれると思っているようだけど、事故の責任は常に下請けに押し付けられてきたし、それ以前に、がれきは廃棄物処理法で自治事務の一環として処理するのだから、責任は市町村(市民)なんですけどね。こういう基本的なところで県にだまされているとは。知性を磨いてよ。 

 この日、一番たまげたのは「安全性が担保できなければ(予算を)執行しない」との市長の一言でした。おいお~い、執行しないかも知れない予算を計上するなよ!! と言いたかった・・・予算原則にも外れているし、いろな「ウラ事情」が感じられて、昨日、本ブログに入っていた、こんな↓ヘイトコメントを思い出しました(匿名メールは読まずに削除しますが、今回は例外)。

「復興に向けて必要な協力です。
無駄でバカなチラシ(ゴミ)を人の家のポストに入れるな!!
テメエの事しか考えないお前みたいな馬鹿野郎はもっと今の日本の、東北の現状を見ろ!!
二度とゴミを投げ込むな!!!
鬱陶しいんだバカ!!!!」

 ふ~ん、まちがいなくがれき受入の関係者ですね。年齢50代以上、書き手は複数、相談しながら精一杯のいやがらせを投げつけて、だまらせようというのか・・・。つまり、南足柄市のがれき受入事業のウラには、こういう、問答無用、国家主義(お上に従え)的な方々が関わっているわけ。これだって言論統制だから、市から出たコメントかもしれないし、こりゃあ、南足柄市民も難儀ですねえ。2013.6.14

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/