「しょっちゅう青あざができて、食べても吐いてばかり。疲れもひどくて・・・友人と病院に行ったら、白血病と言われた。泣いたわ。もう死ぬのかと思って。・・・今、思い出しても涙が出るの」
2007年3月、20代のュ・ミ・ホアンは、急性白血病で亡くなった。
父親は彼女の死因に疑問をもった。彼女が働いていたサムソン半導体工場の部署では、彼女ともう一人の女性の二人とも、白血病で死亡したのである(一人は流産で辞職後、亡くなった)。
調べると、工場には同じような病気で亡くなった労働者が他にも大勢いた。
エンジニアの男性は2004年、急性リンパ細胞白血病で亡くなった。享年30歳。彼が属していた部署では、四人のうち三人までが、それぞれ白血病、悪性メラノーマ、肉芽腫に罹患していた。その職場では、月経異常、自然流産、皮膚病、関節痛、慢性頭痛、鼻血は、ごく普通の病気だった。子どもはできにくく、生まれてきた子も何かしら先天的な問題をかかえていた。現在、サムスン電子工場の労働者の少なくとも22人が、血液リンパ系ガンにかかっている。
韓国最大の財閥企業、サムスンは、世界62カ国に展開し、労働者は15万人以上。うち8万5千人が韓国にいる。同社の半導体液晶スクリーンの市場占有率は世界一だが、若年労働者の珍しい病気の罹患率も非常に高い。しかし同社は「放射能もヒ化水素も安全に処理されている」と、疾病と業務の関係を認めず、運動を脅しと金で切り崩している。
今、半導体工場の労働者は、組織を作り、労働者の権利と保障を勝ち取ろうと、世界的な署名運動を展開中だ。これはサムスンに限った疾病ではなく、電子産業という職場すべてに共通する問題だ。あなたの職場は電子産業? そうでなくても、どうぞご署名を。
http://www.petitiononline.com/s4m5ung/petition-sign.html
↓はこの記事の参考にしたビデオ「サムスンの労働者」韓国語に、英語と中国語の字幕つき。
http://dotsub.com/view/6147f3b8-99fc-48c2-acbe-d95be38eddd1
ユー・ミの記念日 (サムスンの労働災害)
この記事を書いた人
山本節子
調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/