ユー・ミの記念日2  電子製品の危険性

  前回お伝えした「ユー・ミ・ホアンの死」に関する、新しいブログができたと聞いて、覗いてみました。(おそらく)抗がん剤の作用で、髪の抜けたユー・ミの写真がトップページです。英語ですが、動画や写真もあるので、訪問してみて下さい。http://stopsamsung.wordpress.com/
 新サイトには、署名にサインした世界のNGOや労組の名があげてあり、日本の団体名も一つありました。Japan Occupational Safety and Health Resource Center (JOSHRC)、東京労働安全衛生センター。都内中小企業の労働者の安全と健康のために、1998年に設立されています。でも、海外のNGOの姿勢に比べて、いかにも弱々しく(ごめんね・・・)、この問題に対する日本社会の鈍さを思い知らされました。
 電子産業が、材料の発掘から加工、製造、運送、使用、廃棄、最終処理のすべての段階において有害物質を発生させるのは、周知の事実。ユー・ミの工場の動画を見れば、工場労働者がいかに危険な物質に日々さらされているかわかるでしょう。たとえ製品になっても、それは決して安全ではなく、材料に含まれる難燃剤や有害化学物質、そして電磁波などによる「化学障害」が数多く起きています。「化学物質過敏症」の原因は、決して本人の「過敏」のせいではありません。
 このような電子産業と健康被害・環境汚染は、すでに各国の共通認識で、著名な米の「シリコンバレー・有害物質連合」は、現状を「電子廃棄物(E-Waste)の世界的危機」ととらえているほど。http://svtc.svtc.org/site/PageServer?pagename=svtc_global_ewaste_crisis アメリカだけで毎年、2千万個以上の携帯電話が捨てられ、廃棄電子機器の80%が発展途上国に送り出され、受け入れ先の社会を破壊している・・・・・・いつもの構図です。
 現在は、すでに「買う時に気をつける」で、どうにかなるようなレベルではなく、材料採掘や、製造の段階から労働者を守る仕組みがない限り、消費者だって守れない。したがって、こういう運動に目を向けることは、あなたや家族の健康と安全を守ることになるのです。2010.04.24

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/