がれき焼却による症状…北九州市

 遂に今日から北九州でがれきの本格焼却が始まります。今年5月23日の試験焼却でも、同市では、がれき焼却その影響と見られる数多くの症状が出ていたのに、それを完全に無視した暴挙です。その健康調査を行なった「北九の子どもを守るネットワーク」http://ameblo.jp/kitakyu-mamoru/entry-11349256636.html のサイトには、「震災がれき焼却後の健康調査レポート」(作成;避難者お話しの会)という文書がアップされていますhttp://goo.gl/VasOS
 それによると症状はほんとにさまざま。多いのが喉の痛み、頭痛、目の痛み、腹痛、腰痛、関節痛のような「痛み」、そして、咳、アトピー、風邪、というような日常的な病状です。でも、だるい・鼻血・吐き気・下痢、皮膚の紫斑など、放射能汚染症候群というべき症状を訴える人も多く、鼻血は大人にも子どもにもおきています。これだけでも、ただごとではないという印象がありますが、北九州市の担当者は、こともなげに、「そういう話は聞いてはいるが、何の裏付けもない」と一言。被害を認めていないから、追跡調査もしていない。今後、漁業被害がおきても原因は別だ、と言い張るでしょう。これは行政機関による市民への暴行、傷害です。
 以下、八幡西区に住む40代男性のリポートです。意味を変えずに多少編集してあります。
「(5月)23日午後、、小倉北区西港町の商業施設に行き、車から降りた途端、今までに経験したことのないような、骨がきしむような痛みを左腕に感じた。翌24日から27日の間、頭痛がずっと治らなかった。右耳の後ろ部分に激痛が走ることもあった。その痛みは以前2度ほど経験したシックハウス症状に似ていて、頭皮の緊張による、よくある頭痛とは痛み方が明らかに異なっていた。私以外にも、同様に試験焼却中と直後に局所的な頭痛を訴える知人が数名いた。
 6月上旬にも昼頃、西港町の商業施設を訪れたところ、やはり23日と同じ左腕の痛みが出て、その日の夜まで痛みがとれなかった。いったん治まっていた頭痛も、同日以降頻繁に発生するようになった。これは6月中旬まで続いた。
 6月16日、前歯の一部が、突然、痛みも音もなく割れた。初めての経験である。
 高濃度汚染地域である東京都東部に住む知人も、既に何箇所も歯が欠けたという。これと関係があるかどうかは分からないが、昨年秋から今年の春にかけて八幡西区内のある学校で生徒の骨折が多発しているという情報を聞き、学校に確認したところこれを認めた。八幡東区の小規模校でも、5月のほぼ同時期に2名の生徒が骨折している(この学校では5月下旬に生徒の鼻血頻発)、また福岡市内の小学校でも5月の運動会の練習中に生徒の骨折が多発したと知人から聞いた。公けになっていないので事実が確認できないが、東日本でも年齢を問わず骨折、葉が抜けるというケースが多発しているという情報に何度か接した。青森の知人も昨年2本、歯が抜けたという。ストロンチウムによる内部被爆に遭うと骨折、歯が抜ける、折れるという症状が出るという情報もあり、私自身は歯が折れただけだが原因が分からず、被爆による影響かもしれないと考え、精神的にも非常に不安で参っている。
 (中略)
 私自身は放射能や化学物質に対する感受性は人より高い方のではないかと以前から感じている。このためか、所用で若松方面へ出向く際に、黒崎の三菱マテリアル工場と皇后崎清掃工場の間の道を車で通るが、なぜか両工場付近を通過直後に頻繁に後頭部や右側頭部に鈍痛を感じる。これは試験焼却前からのことである。ある医療関係者が、JR黒崎駅周辺の住民の健康状態が他の地域と異なる印象を受ける、と今年の3月頃に語っていた。陣原に他の地域から訪れた方が「空気に金属の臭いがある」と語っていた。同様に知人男性は、仕事で若松区内に入ると、なぜか毎回頭痛が起きると今年の3月頃語っていた。5月24日から6月24日までの間、家族や知人から年齢、性別を問わず周囲の人が突然鼻血を出すのを見たという声を多数聞いた」
 前触れもなく、突然おそってくる放射能症候群。この方のように化学物質に弱い人に、放射能の影響は特に強く現れる例が多いようです。私の友人にも、歯が抜けた、紫斑が出た、という人が何人かいますが、これを克服するには汚染場所から逃げるしかありません。がれき焼却で、北九州市は何人の市民を失うことになるのでしょうか。2012.9.17

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
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