やっぱり埋め立て? 横浜市の汚染焼却灰

 「フクシマ」から目をそらすための都知事選お祭り騒ぎが終わって…いろんな問題が山積です。まず、この↓ニュース。ため息でちゃいますよね。埋め立てるのは311直後の高濃度の焼却灰ではなく、「直近」のものだから、それほど放射能濃度は高くない、ということですが、問題は、そもそも汚染物をいれてはいけないということ、そして「総量」でしょう?

下水汚泥焼却灰、南本牧で試験埋め立て受け入れへ/横浜

 住民らの反発を受けて横浜市が凍結している放射性物質を含んだ下水汚泥焼却灰の埋め立て計画について、埋め立て先の南本牧廃棄物最終処分場(中区)周辺の区連合町内会が試験的な埋め立てを受け入れる意向であることが7日、分かった。市は昨年9月、埋め立て場所を処分場内の内水面から陸地部分に変更する代替案を示していた。
  地元地区連合町内会などによると、昨年9月以降、市が地元住民を対象に説明会を3回開催。住民らは最終処分場や焼却灰を保管している南部汚泥資源化センター(金沢区)などを視察、市側が灰を埋めたり水に入れてかき混ぜたりし、安全性を確認したという。1月の中区連合町内会の定例会で、本格埋め立ての前に試験埋め立てをして安全性を確認することが了承された。試験埋め立ての時期は未定だが、市は2014年度予算案に焼却灰の埋め立てに関わる経費として約2億9900万円を計上していることから、早くても4月以降と見込まれる。
  試験的に埋め立てるのは、南部汚泥資源化センターなどにコンテナで保管されている焼却灰ではなく、放射性物質濃度が1キログラム当たり約300~500ベクレルで推移している直近の焼却灰。町内会側は今後、「不測の事態が発生した場合は埋め立てを即座に中止する」など試験埋め立てを行うに当たっての条件について市と協議していく方針。本牧・根岸地区連合町内会の岩村和夫会長は「試験埋め立てを行った上で、さらに安全性を確認していきたい」と話している

 なんと、「連合町内会」を篭絡していたようです。これは神奈川県や県下市町村で、実によく行われている手。住民の代表がOKしたんだから、住民も当然OKだろう、という乱暴な論理で公害事業が行われているのが神奈川県。最近では横須賀市の新ごみ焼却炉がこのやり方で行われているし、がれきを受け入れた南足柄も箱根もそうでした。一般市民には周知せず。
でも、この件では絶対反対だった港運協会は、どうなったんだろう?

港運協会に予算計上の意向打診、焼却灰埋め立て計画/横浜市
2014123日 http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1401220029/

 凍結されている放射性物質を含んだ下水汚泥焼却灰の埋め立て計画をめぐり、横浜市が横浜港運協会の藤木幸夫会長に対し、2014年度から埋め立て処分を開始できるよう、経費約3億円を予算計上したい意向を伝えていたことが22日、分かった。これに対し、同計画への対応を協議する同協会の部会などが「事務局レベルでの話し合いを完全に無視したやり方」として、鈴木伸哉副市長に同日、予算案を白紙撤回するよう要請した。部会などは要請書で、119月の計画凍結以降、「お互いの考え方について情報交換を頻繁にし、さらに行おうと昨年末の話し合いで合意した」とこれまでの経緯を説明。会長に意向を伝えた市を「唐突な方針・考え方を直接示すという乱暴な行為」と批判し、予算案を「4月から埋め立てを実施する前提での一方的な内容」と指摘した。市によると、昨年12月下旬時点での焼却灰の放射性物質濃度は、1キロ当たり500ベクレル前後で、国が埋め立て可能とする基準値(8千ベクレル以下)を下回っている。今年3月には保管するスペースがなくなる見通しで、市は昨年9月、今後発生する汚泥焼却灰の埋め立て場所を、南本牧廃棄物最終処分場(中区)の陸地部分にする案を示した。一方、横浜港運協会は1キロ当たり100ベクレル以下を厳守することなどを求めていた。

 「スペースがなくなる」なんて最初からわかっていたこと。おそらく市職員は「国がなんとかしてくれる」と待っていたのでしょうが、結局、本牧を汚染するという選択肢を取るしかなくなったわけ。どたんばで港運協会に泣きついたけど、断られたので、連合町内会を口説き落としたんでしょうね。
 ほんとなら、2011年時点で、市は「反埋め立て派」や市民と真摯に話し合い、善後策を打ち出すべきだったのです。でも、市にはそんなつもりはなく、初め活発だった「反がれき派」もいつのまにか姿を消し(私の知る限り、です。念のため)、埋め立て問題に誰も興味を示さなくなった・・・漁網埋め立て問題へも、「指定廃棄物」問題へも、横浜市民の協力はごくわずかでした。戦争も公害も市民権の侵害も、市民の無関心をねらってやってきます。
 

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
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