舛添知事はいつこけるか

  都知事選が執行された2014年2月9日の東京は大雪。
 下馬評通り、当選を果たしたのは、ネットではさんざん叩かれ続け、まったく人気がないと見られていた舛添。しかし、学会と日本会議のネットワークを駆使して集めた得票数210万票は、かの猪瀬氏の430万票の約半分に過ぎません。これは、猪瀬に投票した人の半分は目覚めた、と思わなきゃね。
 その目覚めた200万の、さらに半分の票が向かったのが、突然、登場した「反原発の旗手」細川でした。しかし、元首相経験者の老人チームが得たのは約96万票にすぎず、得票数では3位。ネット界の期待を見事に裏切る結果で終わっています。しかも細川は落選後、「「出馬への逡巡があり準備期間が短かった」などと言っているから、やっぱり特定目的のためにひっぱり出されたんじゃないの。これだから、トノサマなんて使えない。
 一方、2位の宇都宮氏の票もたいして伸びず、前回の都知事選にちょっと上積みされた約98万票どまり。これこそ「細川効果」でしょう。細川が出馬しなければもっと票が伸びる可能性もあったでしょうが、強力なライバルに加え、今回は、選対の内部紛争の影響もあった。
 驚いたのは田母神センセの61万票。彼も元猪瀬票が流れたはずですが、健闘というか、ほんとかい?という感じ。おそらく日本会議の根回しもあったのかも。

 でも、舛添都知事の運命も決して長くないって。もともと、自民党を除名され、前回の参院選にも出馬せず、醜聞や資金問題が絶えない人物を都知事にするなんて、ピンチヒッターでしかありえない。おそらく近い将来、彼の「資金問題」も表面化し、やがて、都知事候補「本命」が登場するでしょう。それまで、「まず添え」が悪いことをしないように見張るのが、今後の都民の義務ですよ。
 それにしても、都知事選の投票率が46%と低かったのは、何も雪のせいばかりではないでしょう。私は棄権した人々の絶望感を強く感じます。将来への恐怖と政治不信・不満。でも、今のシステムに不満なら、それに代わるものを作り上げるしかないのですが、そういう動きもないしね。「我々は99%」って、日本人は信用していないのでしょうね。2014.2.10

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
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