政府批判ブロガーが特定秘密法でヤラレルという話

 「ブロガーも特定秘密保護法の対象になる」という情報を読者からいただきました。ほ~、そういう話もあったのか、と検索したら、その記事に書き起こしているブログがあったので、全文を転載します。下線山本。

http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/8da985572431182f1e2bd280e6ab8e4f
2013年11月19日 暗黒夜考~崩壊しつつある日本を考える
 既にご存知の方も多いかと思うが、11月14日に行なわれた「衆院国家安全保障特別委員会」にて、内閣官房審議官の鈴木良之が「秘密保護法案の解釈上、新聞・出版等の関係者以外の者が、何万人も来場者があるブログにて時事評論をすることは処罰対象となる」と明言した。即ち、報道関連や雑誌の記者以外の小市民がネット上で「特定秘密」にあたる内容を書き立てることは、公権力による言論弾圧を受けるということである。以下に同内容を報じた「しんぶん赤旗」記事(11/15)の切り抜き画像と同記事の書き起こしを記したが、これをご覧いただければお解りのように、今や国家権力はここまで”むき出し”に国民に対する思想弾圧・言論統制を行なうことを明言しているのである。このトンでも発言については、以下の「衆議院インターネット審議中継」の動画(※3時間00分経過辺り)でも確認できるので是非ともご確認いただきたいが、これまで本ブログにて指摘してきた「秘密保護法案」の本質が国民の思想弾圧・言論統制にあることを如実に表す内容である。この俄かに信じ難いやり取りを確認した後、数日間、その後の動きを注視していたが、驚いたことにこの「ブロガー処罰」発言は何ら問題にされることなく完全にスルーとされ、「秘密保護法案」と言えば、あくまで”法案成立ありき”の空気感の中、連日のように「第三者機関の設置」「慎重な議論」との論調一辺倒の状況である
 それにしても、防衛省の鈴木良之が示した処罰の条件が「不特定多数の人が閲覧可能」「客観的事実を事実として継続的に知らせる内容」「『出版又は報道の業務に従事する者』に該当しないブロガー」ということになると、これまで「ネット言論」をリードしてきた著名ブログは軒並みアウトということであり、本ブログも限りなくアウトということであろう。この「ブロガー処罰」発言に関して、”沈黙”が意味する所は非常に危険なシグナルであると判断される故、本ブログの更新を暫し停止し、今後についてどうするのかを見極めたいと思う次第である。「ブログ更新停止」となると、これまでご支援いただいた皆様から様々なご意見があるであろうが、ここまで書き綴ってきた”重み”については自分自身が一番強く認識しているつもりである故、何卒ご理解をいただければ幸甚である。いよいよ暗黒面の帳(とばり)が舞い降りたことを痛感する次第である。

 「ネット言論」についてはよく知りませんが(私は仮名での発言サイトはほとんど見ません)、以後、有名ブロガーが続々「撤退宣言」をしているとのことだから、深刻。もっと深刻なのは、こんな大きなニュース(市民の言論の自由に真っ向から対立する発言)が報道されなかったこと。報道したアカハタの記事↓も遠慮がちで、上のブロガーの記事とかなりイメージが違います。

ブロガー処罰 政府否定せず
 2013.11.15 しんぶん赤旗(※書き起こし)
ブログ(簡易ホームページ)で時事評論などをする人(ブロガー)が「秘密保護法案」の対象となり処罰される可能性について、内閣官房の鈴木良之審議官は14日の衆院国家安全保障特別委員会で「個別具体的な状況での判断が必要で一義的に答えることは困難だ」と述べ、否定しませんでした。公明・国重徹氏への答弁。鈴木審議官は「ブログが不特定多数の人が閲覧でき、客観的事実を事実として知らせることを内容とし、ブログに(記事を)掲載している者が継続的に行ってるような場合には、(秘密保護法案の)『出版又は報道の業務に従事する者』に該当する場合がある」と述べました。行政機関が特定のブロガーを「出版又は報道の業務に従事する者」に該当しないと判断とした場合、処罰対象となることが明らかになりました。

http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=43212&media_type=fp

 こんな脅しにおびえてブログを閉鎖しては、それこそ政府・メディアの思うつぼではと思いますが、「ネット言論をリードする著名ブロガー」ではない山本には縁のない話か・・・と思っていたけど、ちょっと待った!私はすでに「処罰対象」にされていたのでは?
 神奈川県が私のブログを攻撃した件です。本サイトでは以下の記事に書きました。

神奈川県の「がれき秘密協定」 (08/22)
県のブログ攻撃は言論弾圧 (09/20)
「契約は9月」証拠あり (09/20)
県の個人HPを攻撃・・・根拠法もなし (10/30)
神奈川県HPからワンダフル・ワールドの攻撃記事削除される (11/08)

 たったこれだけ。当時、私はこの件をたいして重視していませんでした。県もすでにこの記事は削除しています。でもね、「(ブログの)名前を公表する」というのは、普通、行政の処罰行為です。事業者なら、こんなことをやられると信用をなくし、企業経営そのものがなり立たなくなるため、よほどでないと名前なぞ公表されません。たとえば鮫川村焼却炉の事故でも、事故報告書の企業名や担当者名(公務員含め)はすべて墨塗りで、「事故を起こした側」は守られている(TEPCOも似たようなもんですけどね)。
 なのに、それを批判する方を処罰するのが神奈川県。
 
 なんと、神奈川県は秘密保護法を先取りしていたわけでありました。まあ、タレント行政をつつく私が憎くて仕方なかったのでしょうが、墓穴を堀っているのね・・
 この関連では、政治ブログも更新したので、ご覧下さい。次は共謀罪? どこへ行く日本
2013.12.12

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/