違法でも止まらない「国家の事業」

  本格運転からわずか一週間後に爆発し、停止していた環境省+日立の実証炉が、村民の反対を無視して再稼働への道まっしぐら。下は環境省の通知です。

福島県鮫川村における農林業系副産物等処理実証事業の確認運転のスケジュールの変更について 平成26年2 月7 日 環境省
1月29日にお知らせした確認運転のスケジュールを、寒波による悪天候の影響等により、下記のように変更しましたのでお知らせいたします。
・第1段階:1月30日(木)~2月13日(木)(土日祝日を除く10日間)
・第2段階:2月14日(金)~3月3日(月)(土日を除く12日間)
・第3段階:3月4日(火)~14日(金)(土日を除く9日間)
(注)
・ 第1段階には、機器の単体運転の確認と、空焚き(焼却はせずにバーナーを焚く)にて、各装置・計器が正常に作動し、改良部分が機能することを確認します。
・ 第2段階には、農林業系副産物及び除染廃棄物を焼却し、焼却状況(炉内等各部温度、ばいじん濃度等)を確認しながら、設備の連動運転の調整等を進めます。
・ 第3段階には、農林業系副産物及び除染廃棄物を焼却しつつ、教育・訓練の内容について総復習を行い、運転管理の習熟度を確認します。

 もともと廃棄物処理などやったこともなかった国(環境省)が、突然、「放射能に汚染された廃棄物は国が処理する」(放射能対処特措法)となったのだから、それは恐ろしい事態に。国家事業に歯止めがかけにくいのは、戦争も、原発も、廃棄物処理も同じ。で、事業を受託した日立造船はやりたい放題。業を煮やした青生野の人々は、2013年12月20日、環境省に押しかけて談判しましたが…(録画・音声から一部を抜き出し。両方とも約5分)。

http://www.youtube.com/watch?v=9I7h5q3NzxU&feature=youtu.be
 (環境省の担当課との話合い。公文書偽造は知っていた・・・)
http://www.youtube.com/watch?v=_qwfXKftDbk 
 (記者会見。この日、鮫川村は大雪で、環境省での待ち合わせが3時間も遅れた)

 環境省が関与した公文書偽造(違法事業)事件なのに、記者会見に現れた報道機関はわずか3社、翌日の報道はゼロ(地域紙がベタ記事で伝えただけ)。理由はあきらかです。これを報道して、県内で進んでいる同様の計画に悪影響を与えることを恐れたのでしょう。自主規制というより、メディアと業界、政府が一体化しているということ。まずいニュースは伝えないという姿勢はフクシマ後、さらに露骨になっています。市民は、これまで以上に、出処がはっきりした情報を共有するようにしないと。
 なお、鮫川村がどういうところか興味のある向きには↓がおすすめ。里山の自然はすばらしいのですが、これがフクイチ後にアップされていることに違和感。鮫川村の危機感のなさが伝わってきます。
http://www.youtube.com/watch?v=Pa2ZqF7uM9c
 (鮫川村のPRビデオ、2011年7月11日アップ)
2014.2.13

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/