情報隠蔽、政府もメディアも

 「最悪シナリオ封印」だの「議事録未作成」だの。メディアが一斉に書き立てていますが、まったくあきれはててものが言えません。いえ、政府じゃなく、マスコミが。

「隠蔽」批判免れず=震災原発対応、検証困難に(時事通信)
議事録未作成問題、岡田副総理が概要作成を指示読売新聞(128)
原発事故議事録「作成せず」は民主党の悪弊だ政策の信頼性にも疑念が生じかねない。読売新聞(127)
原発議事録「検証」阻む政権の怠慢朝日新聞(126)
政府の原子力災害対策本部、一度も議事録作らず 「緊急事態では事後の作成も許容されている」(森山善範原子力災害対策監)。読売新聞(123)
【浪江町の津島避難】線量情報なく町民孤立 国と県予測伝えず 安全信じ空白の4日間東日本大震災福島民報(20111211)
【最悪シナリオを封印】菅政権「なかったことに」 大量放出1年と想定  民間原発事故調が追及 – 47NEWS(122)

 初めて知ったかのような記事ばかり。でも、スピーディ(SPEEDI)隠蔽、メルトダウン隠蔽、ホットスポットやh義バクの隠蔽など、メディアも「報道しない」という意味では政府の協力者じゃなかった? 
 隠蔽の理由はとても簡単。マスコミも含めた大きな利権がからんでいるから。事故や災害が大きいほど、汚染が深刻なほど、「処理」には巨額の政府支出が動き、それを目当てに多くの企業がはいりこんできます。政府としても、対処するには専門家に相談するしかなく、こうして関与した企業や学者の主導で、方針や政策が打ち出されてゆくのです。
 国レベル、しかもれっきとした法定の会議で記録を作らないとは、法治国家としてはありえないから、本当は、そんな「関係者」の要請で、出さないことにしたのでは。想像するに、利益誘導がばれると困るというより、すべてに東電とその御用学者が関与しているからかもしれません。
 日本政府の「情報公開」や「説明責任」に対するスコアは0点に近く、そんな政府の出す「放射能対策」や「公式発表」など、みな信じたがらないのは当然なのです。不信はすでにマスコミにも及んでいる。誰か、これらの情報隠蔽について裁判を起こさないかなあ。2012.1.28

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/