南京だより 新しい隣人②彼らの羞恥心

 
南京だより 新しい隣人②彼らの羞恥心
 「リーマン不況」が、今回、世界にどこまで影響を及
ぼすか、気になるところですが、私はあいかわらず、の
んびり南京生活を送っています。
 さて、母子の「隣人」ですが……問題てんこもり。
 個室以外の台所、食堂、シャワールーム、洗面所は共
用なので、自然、彼らを毎日「生態観察」することにな
ってしまいます。見たくはないのだけれど。
 まだ暑い頃、母親が薄いブラウスにパンツ一枚の姿で
うろうろしているのを見て、思わずドアを閉めてしまい
ました。私が不在だと思って自由な格好をしているんだ、
そう思ったのです。…ところが、しばらくして、またド
アを開けると、彼女はそのままのかっこうで、掃除をし
ているのです。こっ、これは……
 気にしないのです。何ごとも。町の通りの並木にひも
を通して、堂々と下着を干すのが、ここではごく普通の
風景ですから(下着泥棒なんていない?)。でも、彼女
のパンツ、日本ではもう絶滅種の、たっぷりした「ズロ
ース」というヤツです。中年女性の特大ズロース姿は、
絶対目にしたくないものです(自戒…)。
 でもその数日後、21歳の娘が、母親と同じ超特大ズロ
ース一枚でうろついているのを見て、一種、カルチャー
ショックを受けました。この二人は「恥」の感覚が違う
のだ、と。もちろん、彼らをもって中国人全体を判断す
ることはまちがいです。知人・友人にはみな日本人同様「恥」
の感覚がありますから。
 …でも同じ家に暮らしている以上、慣れるしかなく、
私も気にしないことにしました。秋になって、ズロース
は、「ももひき」に変わりましたが、それがピンクや肌
色なので、やはり時々ぎょっとさせられます。
 

この記事を書いた人

hiromachi