フッ素のウソ 1

 な、なに、これ? いまだにフッ素礼賛の記事? この忙しいのに・・・でも、黙ってもいられないので、とりあげておきます。
フッ素洗口、佐賀県が日本一、12歳児の虫歯率も急速に減る
 2012/11/14 13:44
 虫歯予防の有力な手段として、学童が学校でフッソ水でうがいをするフッ素洗口が全国的に広がり、20123月では89万人に達した。小学校では1970年に始めた新潟県が長く日本一を保ってきたが、2008年以降は佐賀県がトップになっている。20121028日、私は同県鳥栖市で開かれた公開の健康講座に参加し、初めてそのことを知って驚いた。

  厚生省もガイドラインつくって推進
  発表したのは佐賀県のアドバイザー役も担ってきた境脩・福岡歯科大学名誉教授 (予防歯科学) 。同県の小学校は1999年頃にスタートしたが年々増え、2007年には13736219人と児童の過半数を超え、2011年には16645449人になった。これは児童数の96%にあたる。 一方、12歳児の一人平均虫歯数は、2006年度は1.7本で47都道府県の29位だったが、2010年度は1.0本で、9位。1位の新潟県は0.8本だった。境さんは「新潟県の洗口率は80%で止まっており、数年以内に佐賀県が全国一になる」との見通しを語った。これは結果的にフッ素洗口の効果を示す証拠になる。フッ素は海水に1.3ppm、地中には240ppmも含まれている元素。
 水に含まれる濃度は各地で異なるが、米国のデータから
1ppm前後の濃度だと、虫歯を防ぎ、かつ副作用がないとフッソ洗口推進派の人たちは主張する。境さんは欧米諸国が水道にフッ素を入れていることから、日本でも水道にフッ素添加を求める運動を展開、新潟大学助教授時代に、それまでの代替手段としてフッソ洗口を導入した。厚生労働省は2003年に「フッ化物洗口ガイドライン」を都道府県に送って実施を奨励してからは急速に広がっている。
一方でフッ素に対する反対運動も根強い。20112月、日本弁護士連合会はフッ素の有効性、安全性に疑問があるとして「集団フッ素洗口・塗布の中止を求める意見書」を発表した。新聞やテレビが報道し、日本学校歯科医会、日本歯科医師会、日本口腔衛生学会などが反論する見解を発表した。境さんは「弁護士連合会の見解には多くの誤りがある。フッ素の安全性、有効性は世界保健機関 (WHO)を始め、世界の150もの学会や専門機関が保証している」と強調した。(医療ジャーナリスト・田辺功)

 反対派のことも書いてありますが、全体として推進派寄りの記事です。反論は山ほどありますが、まず手始めに、WHOのテクニカル・リポート(1994)を日本語でとてもわかりやすくまとめたサイトがあったので、それを紹介します。原文はこちら→
http://www.d2.dion.ne.jp/~nosmoke/fuso.htm (「フッ素の危険について」注山本)
 ★6歳児未満は禁忌 (フッ素入り歯磨き剤もダメってことです)
 ★歯科医学会は言論統制されている (いまだにそうです)
 ★急性毒性の調査はされていないが、フッ素添加水道水で、0.1mgで中毒が起きた例あり… 
 ★91年、吸収されたフッ素は、消化管内の塩酸によって猛毒のHFに変化し、急性毒性がおきるとの米の報告がある。
 ★94年現在、日本では約15万人が500-2000ppmのフッ化ナトリウム溶液で集団洗口を実施している。…慢性中毒の危険にさらされるのではないだろうか。(それが6倍になった!)
 ★フッ素入り歯磨剤は、0.6g-2.2gのフッ素を含んでおり、毎日使用すると慢性中毒の危険が
あり、妊娠の可能性のある女性は使用すべきではないと思われる。
 ★ヨーロッパではイギリス・スイスなどで一部行われているが、ドイツ、ベルギー、ポルトガルでは、1-2箇所試験実施したのみで行われていない (あくまでも、当時です)
 ★新潟市では、73年ごろより歯学部や歯科医師会が上水道フッ素添加を求めたが、市民団体や水道局関係者などの反対で実施されていない(これも94年当時)
 ★フッ素の問題を指摘した宝塚市の医師はしつような嫌がらせを受け、県外へ移転せざるをえなかった。
 ★米、イリノイ州の調査では、飲料水中のフッ素濃度が少ないほどダウン症発生率が少ないことが報告された。(ダウン症との関連は当時は否定されたようですが・・・)
 ★フッ素は骨粗しょう症を起こす。体内でカルシウムと結合してフッ化カルシウムになり、対外へ排出され、カルシウム不足―骨粗鬆症を起こすとの意見が多い。
 ★フッ素と骨肉腫・・・91年全米毒性研究班(NTP)がラットとマウスにフッ素投与実験を行ったところ、骨肉腫の増加が認められた。人間の報告もあり、これでWHOやFDAが方針転換した。
 ★その他、甲状腺機能低下、腎機能障害、低身長、関節炎などさまざまな報告が。米では毎年3.5万人がフッ素により死亡しているとの試算がある。
 ★フッ素はアルミ工業の廃棄物。人間を家畜化するとの報告もある。
 私は廃棄物問題のかかわりの中で、フッ素に目をむけ、NWO研究の中で「家畜化」の問題を重視しているのですが、このリポートから20年後の日本は、事情が悪化していたとは。
 で、もうひとつ、政府の姿勢を確認しておきましょう。2003年、かの厚生省は、珍しくもフッ素添加水道水に明確に反対していました。長いけど記録として全文掲載しておきます。
http://www.ichigo-dc.jp/refer.html



 水道水へのフッ素添加について厚生省及び日本水道協会の見解
                          平成12年11月28日
  11月18日付けの新聞各紙で「厚生省が水道水へのフッ素添加を容認した」と伝えられたことについて、厚生省水道整備課及び日本水道協会の見解を示します。なお、日本水道協会の見解は昭和50年に出されたものでありますが、現在もこの見解が水道界における基本的な考え方となっています。
Ⅰ 厚生省(水道整備課)の見解
 1. 水道行政の目的は清浄な(人の健康を害しない)水の供給であることから、フッ素添加(添加後の濃度が0.8mg/L以下であることが必要)により虫歯を防止する場合には、水道利用者の理解を得て実施されるべきと思料。
  2. なお、水道行政の観点からは、
 (1)水道行政の目的は清浄な水の供給であり、また水道水は不特定多数の国民により多目的に使用されるという性格を持っていることから、浄水処理のための凝集剤や消毒のための塩素等を除いては基本的に薬品を添加すべきではない、
 (2)フッ素濃度を一定の値(虫歯が予防でき班状歯を生じない濃度)に維持管理するための運営技術上の問題がある、と考えており、フッ素添加を積極的に推進する立場にはない。
Ⅱ 日本水道協会の見解
 1. 昭和50年1月29日に、日本水道協会新潟県支部長である新潟市長から、日本水道協会会長宛に、「上水道へのフッ素添加問題について」調査依頼があり、衛生常設調査委員会で検討した結果、昭和50年9月9日、委員長は日本水道協会会長に2.のように回答し、これに基づいて、昭和50年10月13日、本会専務理事が新潟市長に3.のように回答したものである。
  2. 「上水道にフッ素を添加することについて(回答)
 小児の疾病については、その予防的観点から幾多の措置要因が考えられ、う歯予防もまた単にフッ素の添加のみで解決し得ないことは歯科医学の立場からの学説的にも意見のあるものと思量されます。したがって、う歯対策についても広く公衆衛生的対策を考慮すべきであり、当委員会で慎重審議の結果、貴書簡に示された判断(別紙 1.フッ素添加上の問題点)を全面的に支持することになり、水道水に特別にフッ素添加の必要性を認めるものでないと考えます。
  3. 「上水道へのフッ素添加問題について(回答)
 むし歯予防のため水道水にフッ素を人為的に添加するにあたっては、貴書簡別紙1のフッ素添加上の問題点があり、これら問題点の解決をみることなしにフッ素を水道水に添加する必要性は認められません。
[別紙1 フッ素添加上の問題点]
①総合医学的に十分な検討が必要である。
 フッ素は消毒用塩素のように単一作用だけでなく、完全無害といいきれない。
②最適添加量
 副作用がなく、かつ、むし歯の予防に最も効果的な注入率が設定されなければならない。なお、副作用は地域、水質、食習慣などによってことなるといわれている。
③維持管理の複雑化
 注入及び注入施設の管理のほか、全給水区域に均等濃度を維持しなければならない関係上、原水及び管末等の水質検査を常時行わなければならない。
④水道法上の解釈
 水道水は本来多目的に使用されるもので、清浄であるべきである。また、水道法上O.8PPM(mg/L)と定められたのは、自然水に含まれるフッ素の限界点を想定したもので、人為的な注入の上限を想定したものでない。
⑤むし歯予防に水道へのフッ素添加が最適か
 歯ヘフッ素を補給する方法には食物への混入、ウガイ、ハミガキ、局所塗布、内服、水道水への添加等があるが、これらも総合的に検討されるべきである。
⑥薬品、注入施設、維持管理等の費用負担
 フッ素添加をすることによって当然にこれらの経費が想定されるので、仮に水道事業が負担するとしたら水道料金への影響が考えられる。
⑦住民の合意
 水道ヘフッ素を添加することによって、個人の意志の有無にかかわらず、飲用を強制されることになるので全住民の合意が要件である。
⑧投資効果
 給水される水のうち飲用されるのはわずか1パーセント程度であり、さらに、フッ素の効果は全利用者に有効なものではなく、およそ15歳以下の者のみに効果があるともいわれている。従って添加されたフッ素のうち99.5パーセント以上が活用されずに捨てられる効率の悪さがある。
(参考資料)フッ素について(上水試験方法解説編 1993年版)
1.1 一般的事項
 1) 物性、性状等
 フッ素は、ハロゲン元素の一つで、最も反応性の高い元素である。そのため、自然界にはフッ化物(F-)、珪フッ化物(SiF62-)の化合物の形で存在し、元素の形では存在しない。いずれも無色のイオンで、ナトリウム塩は水溶性であるが、アルミニウム、カルシウム、マグネシウムの各塩はわずかしか溶けない。主な鉱石はホタル石(CaF)、氷晶石(Na2AIF6)、フッ素リン灰石〔Ca10F2(PO4)6〕で、自然界に広
く分布している。したがって、水中のフッ素は、主として地質に由来することが多い。しかし、近年、フッ素化合物を使用する工場からのフッ化物の大気中への飛散あるいは排水中への排出により、フッ素が水中に混入する機会が増加している。
  2) 用途
 フッ素化合物は、アルミニウム電解、鉄、過リン酸肥料、タイル、煉瓦、硝子繊維、セラミックス、半導体等の製造、練り歯磨への添加剤などに使用されている。
3.2 環境での挙動
 1) 地殻等自然界の含有量
 フッ素の地殻中濃度は300ppmで、クラーク数は第17位である。
 2) 大気、水、食品等の含有量
 環境中のフッ素濃度は、大気で0.5~3ng/m3以下、雨水で0~0.6mg/L、海水で1.3~1.4mg/L、河川水で0.1~0.2mg/L、井戸水で1mg/L以下である。
 また、食品中等のフッ素濃度は、食物で1mg/kg以下、魚貝類で10~30Omg/kg、茶(葉茎)で50~1,000mg/kgである。
 なお、オランダでは、汚染源のない地域の大気は30~40ng/m3、汚染源のある地域では70ng/m3、アメリカ、カナダでは20~2000ng/m3という測定例がある。地下水では地質によるが、花崗岩地帯では1.4mg/L程度、温泉水で1.9mg/L程度で、10mg/Lを超える例は少ない。河川水で工場排水の影響を受けた地域では0.2~1.3mg/Lという測定例がある。市販のフッ素入り歯磨は、現在日本では1mg/kg以下となるよう指導されている。
 3) 摂取経路
 WHOは、大人についての摂取量を、食物からは全体の80~85%で、その他に飲料水から0.03~0.68mg、歯磨きから0.2~0.3mg、空気からはないとし、1日当たりのフッ素摂取量を1.4~6.0mgと試算している。
3.3 健康影響
 1) 急性毒性
 高濃度のフッ素化合物の摂取では、初期症状は嘔吐、腹痛、吐き気、下痢、痙攣で、病理学的変化は出血性胃炎、急性胃炎、ある程度の肝臓、心筋の障害等があり、このほかに体重減少、筋無力症、筋痙攣、肺充血、心臓失調、骨軟化症、神経痛、再生不良性貧血、腎障害、甲状腺障害等があげられている。致死量は、ヒトでフッ化ナトリウムは約5gである。
  2) 慢性毒性
 飲料水からのフッ素の長期的摂取による毒性は、斑状歯の発生と骨格フッ素中毒症である。
 斑状歯とは、フッ素による歯冠部の白濁を主とする発育不全症であり、正しくは慢性歯牙フッ素中毒症と呼ぶ。斑状歯は、歯の表面に不規則の白亜状の斑点ができ、次いで黄色又は褐色の斑点ができる。(この後1行抜け)
進行するとホウロウ質が欠如して穴があき、歯の表面が侵食された状態となる。斑状歯の発生はほとんどが永久歯に限られ、その形成期間は乳幼児から14歳ぐらいまでに現れるのが特徴である。
 骨格フッ素中毒症では、骨格構造に影響を受け、ひどい場合は歩行障害を生じる。
 フッ素の変異原性について、バクテリア及び昆虫を用いたフッ化ナトリウムの研究で変異原性は認められていない。
 発がん性については、IARC(国際がん研究機関)はヒトへの発がん性に関して有効な文献は見当たらないとしている。
  3) その他―水道水へのフッ素添加
 フッ素をある程度含む水を飲用すると齲蝕(虫歯)予防に効果があるということから、一時飲料水へのフッ化物添加に関心が高まった。1952年(昭和27年)までの間に2市町でフッ化物(0.6mg/L程度)の添加実験が行われた。虫歯の予防及び斑状歯の発生等については必ずしも明かにはならなかった。その後、フッ素添加は行われていない。また、ある市で水源の一部に水質基準(0.8mg/L)を超える1.2mg/L程度のフッ素を含む地下水が使用されていたため、1970年(昭和45年)以来斑状歯が発生し、フッ素が通常の浄水工程では除去できないことから、フッ素除去のための電解設備を設置し、フッ素濃度を0.5mg/L以下に低減させて給水を行った例もある。
 日本水道協会では、1975年(昭和50年)に歯科医師会からフッ素添加について要望のあった新潟県に対する回答で「フッ素添加は種々の問題があり、現段階でフッ素を水道水に添加する必要性を認めない。」との見解を示した。
3.4 水質基準設定の経過
 斑状歯の発見は、メキシコのドラゴン市におけるKuhns(1888)によるものが最初であり、次いでアメリカ移民の中にEager(1901)により発見され報告された。その後、Dean(1936)による綿密な疫学調査により、飲料水中のフッ素濃度と斑状歯発生の関係が明かにされた。この調査結果によれば、約1mg/Lのフッ素を含有する水の連続飲用では、発生率が40~50%に上昇する。しかし、この濃度範囲では、症状は「非常に軽度」か「軽度」の程度である。
 1950年(昭和25年)の「飲料水の判定標準とその試験方法」では、上記の調査結果を考慮し、フッ素について1.5mg/Lと定めている。しかし、その後の国外、国内の多くの疫学調査から、1958年(昭和33年)の水質基準に関する省令(厚生省令第23号)では0.8mg/Lに定められ、1978年(昭和53年)以後mg/L表示になり現在に至っている。
 WHOの飲料水ガイドライン(1984及び1993)では1.5mg/Lとなっており、アメリカ環境保護庁(EPA)の暫定飲料水基準では2mg/Lとなっている。その他世界各国の基準をみると、おおむね0.7~2.0mg/Lの範囲にある。
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 つまり、1975年から2000年まで、厚生省はフッ素の毒性を認め、反対の立場だったのです。それが2003年のメディア報道をきっかけに急激に切り崩しがすすみ、2003年のガイドラインになったもよう。今回もそれっぽい。では、続きは明日。2013.1.25

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/