黒岩神奈川県知事の妄言、がれき問題

 驚いたことに、神奈川県知事・黒岩は、まだ芦名に魚網を入れようとしていました。処分場のある地域6千世帯に、「がれきの安全性」を伝える文書を配布したというから、とんでもない税金の無駄遣いです。

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魚網受け入れで神奈川県 地元住民に資料全戸配布


産経新聞 123()1138分配信


東日本大震災で生じたがれきの受け入れ問題で、神奈川県は22日、岩手県の漁網を横須賀市の県営最終処分場に埋め立てる計画の安全性や必要性などに関する考え方をまとめた資料を、処分場の地元住民でつくる大楠連合町内会の区域内約6千世帯に全戸配布した。同会が加入世帯に実施した意向調査で出された意見や質問に回答するとともに、インターネットで流布された情報などにも踏み込んで反論した内容。全戸配布に先立ち、21日に長谷川俊夫会長に手渡しした。「放射能を全国にばらまく」「現地で処理した方が雇用につながる」といった疑問に、「事前測定では検出下限値20ベクレルとそれ未満であり、乳児用食品や牛乳の基準の50ベクレル以下」「処理で生まれる雇用は一時的なもの」などと答えている。さらに、ネットなどで流されている「処分場から黒い水が排出され、松越川の河口で背骨が曲がった魚が見つかった」などとの情報について、「公共下水道に放流している」と川への排水を否定。昨年11月の住民説明会で賛否両方の意見が出たことに対し、県に寄せられた「やらせがあった」との批判についても、「やらせは一切ない」と否定している。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130123-00000528-san-soci






 ど素人が「安全」論をふりまくんじゃないの! それも行政の長がやるっていうのは悪質なプロパガンダで犯罪的。それに、大楠連合町内会(=連町)から意向調査用紙を入手していたことは、両者がそういう話をつけていたからで、それこそ「やらせ」じゃございませんか? しかも、県はごく早い時期に意向調査を入手していたようで、1月半ばにはすでに分析を終えていました。



 魚網受け入れに意欲 神奈川県知事「放射能への懸念は誤解」


産経新聞 117()1155分配信


東日本大震災で生じたがれきの受け入れ問題で、神奈川県の黒岩祐治知事は16日の定例会見で、県が岩手県の漁網を埋め立てる計画の県営最終処分場(横須賀市)の地元住民でつくる大楠連合町内会が実施した意向調査結果について、「理解すれば受け入れはやむをえないと思う方が多くいると確信した」と述べ、漁網の受け入れに改めて意欲を示した。県によると、意向調査の自由意見欄の記載内容を分析したところ、反対票に記載された意見520件の内訳は、放射能安全性への懸念170件▽広域処理の必要性への疑問155件▽行政への不信など70件▽(受け入れを県内の産業廃棄物に限った)協定書を順守すべき47件▽とにかく反対20件▽その他58件。



黒岩知事は放射能への懸念について「漁網は不検出で誤解」と指摘し、「(受け入れをがれきの焼却灰としていた)前の提案のイメージが強く、まだ理解されていない」との見方を示した。広域処理についても、「地元の要望があった」と反論した。ただ、誤解が解けたと判断する基準や期限など今後の具体的な手法は明言せず、「横須賀市と協議しながら努力する」と述べるにとどめた。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130117-00000534-san-soci&pos=2


 この記事で問題にすべきは、分析の中身より、広域処理については「地元の要望があった」という点です。地元ボスのタチの悪さ全国共通だから、この点はしっかり追及すべきでしょう。
 それにしても、その地元ボスが白旗あげちゃったんだから、普通はあきらめるのが筋。なのに、黒岩は、「理解すれば」「誤解が解けたと判断すれば受け入れられる」などと妄言。・勘違い、というより、行政の根本を知らないアホ政治家の言葉です。
 
 神奈川県は全国にさきがけて、「自治基本条例」を制定していますが(平成21年3月27日公布・施行)、黒岩氏の態度はすでに自治基本条例違反。だって、県のHPにも「地域主権の時代には・・・自らの判断と責任により(国の判断ではなく)、住民の意思にもとづいて(自治体を)運営することが求められる」とあるんだもんね(カッコ注は山本)http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f4951/p14688.html
 したがって、知事は背後の利権関係者の意思にもとづいて判断するのではなく、住民の「ノー」という意思表示にもとづいて判断する義務があります。こんな単純な決断さえできないのは、県庁で推進派工作員に囲まれているからだと考えられるけど、それでも、法的義務は守らなければならないのだ! 一日も早い「断念」発表を。そして、連町と「窓口」の解体を。そうしないと、県民はこの筋で追い討ちをかけることになります。違法知事って。2013.1.24

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/