フロン騒ぎ再び?

  今日はアメリカ環境庁(EPA)の情報です。米国第二位の小売店「コストコ」http://www.costco.co.jp/p/aboutcostco は、日本各地にも大型店をかまえ、それなりに人気を集めていますが、そのコストコが、連邦大気清浄法(クリーン・エア・アクト)違反を問われ、罰金を払うことに同意し、和解が成立したというニュースです。

 具体的には、同社は2004~2007年にかけて、店舗のエアコンなどに用いる冷媒R-22の環境中への排出を抑える手段を講じず、法で定めている適正な記録をとっていなかったなどの違法行為があったことを認め、罰金335,000ドルを支払い、全474店舗のうち、半数以上の274店舗の空調を200万ドルかけて新しくすることに同意したというもの。これによって、将来、温室効果ガスとオゾン層破壊物質の排出を五分の一にし(2011年の24%から2017年には19%以下に)、それによって将来の排出量も105,000ポンド(ざっくり=50t)以上削減できるとのことです。なお、どの国でも、普通、大気中への汚染物質の排出をこうして重量で規制していますが、日本だけは濃度(したがって上限なし)。

 R-22とはハイドロフルオロカーボン(HCFC)のこと。それまで冷媒として使われていたフロンを「オゾン層破壊物質」だとして駆逐した後、「環境にやさしい」として導入されたのですが、実はフロンの何倍もオゾンの破壊力があり、二酸化炭素(CO2)に比べて1700倍も温室効果があること、しかも毒性があることがわかって、先進国は2020年までに全廃することを申し合わせています(モントリオール条約)。

 で、アメリカでは2010年から、日本では2015年から段階的削減を開始(日本冷凍空調工業会http://www.jraia.or.jp/info/hcfc/index.html)していますが、当時の「冷蔵庫買い替えブーム」を思い出すと、今回も、買い替え特需をねらった家電メーカーの陰謀ではないかと思いたくなります。世界中の空調機器を取り替えるのだから、そりゃあ、大量のごみも出るし、その処理(最後は焼却・埋め立て)を考えると、ぞっとする。それに、新技術が確かなものかも証明されてもいないし、なんたってEPAは「CO2地球温暖化詐欺」の張本人、この「和解」の裏はビジネスであることは間違いなく、市民としてはウオッチが必要ですね。2014.9.4

(参考)

http://www.instalbiz.com/resources/39-resource-r-410a-versus-r-22-refrigerants_37.html

Read the proposed settlement at: http://www2.epa.gov/enforcement/costco-wholesale-corporation-clean-air-act-settlement

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/