インフルワクチン義務接種を中止したカリフォルニア州の郡

 アメリカでは、毎年、インフルエンザワクチン接種が「推奨」されています。「推奨」とはいえ実際は義務接種。特に、ヘルスケア関係の分野ではワクチンを拒むと仕事を失うことも多く、長年、問題になっていました。そこに変化が起きています。

 「カリフォルニア州シャスタ郡は、このほど、ヘルスケアワーカーに対するインフルエンザワクチンの接種義務付けを廃止した。群の管理委員会(board of supervisors)及びヘルスケアワーカーから懸念の声を受け、ヒアリングと討論の末、決定したもの(ただしマスク着用義務は残した)。しかし、市民のフラストレーションは強く、この件を審議する会議には大勢の市民がマスク義務付けやワクチン義務接種に反対するプラカードをかかげて集まった。「違法な子どもへのマスク着用命令、休業命令、教会閉鎖、ワクチン義務づけを止めろ」と抗議を続けていた。一方、隣のテハマ(Tehama)郡では、逆に、すべてのヘルスケアワーカーにワクチンを義務づける命令を出している」

Shasta County, California, Cancels Flu Shot Mandate for Health Care Workers September 29, 2020

 記事に出ている「管理委員会」とは郡の業務を監査・監督する行政組織のこと。(地方自治体の)議会同様、立法、行政、および準司法の権限があり、州の行政区画として州法にもとづいて独自の判断・運営が可能なようです…アメリカにはこういう制度もあるのですね。その行政組織がワクチンに「待った」をかけたというのは、私が知る限り、初めて。他の郡や市が後に続くことを期待しています。2020.9.29

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/