bakkaじゃないの、石原知事!!

 この記事は3月初めに書きました。長くなったので、アップしようかどうかと迷っているうち、いろんなことが起きて…でも、やっぱ、あげよう。
  
 2012年年3月1日、東京都が政府にこんな提言↓を出しています。都民の代表として、都民を守る義務がある人間として、こういうバカな提言を出す神経にぞっとします。築地移転の強行といい、「だまれ発言」といい今回の国立処分場(国立歌劇場じゃあるまいし…)といい、この右翼老人は企業の代弁者であって、市民にとっては危険な敵、この上は一刻も早く政界から引退させねば。
内閣総理大臣 野田佳彦殿
環境大臣 細野豪志殿
                                    東京都知事 石原慎太郎
 宮城県女川町の災害廃棄物の東京への本格受入れについては、本日から被災地からの搬出が始まり、明日以降、順次、都内自治体や一部事務組合の清掃工場に搬入され処理が行われる。しかし、災害廃棄物の広域処理の取組は、全国的な広がりには遠く及んでいない。
広域処理の実現に向けて重大な支障となっているのは、震災後の国の様々な不手際に起因する国民の国に対する信頼感の希薄さにある。国はこの事実を深く自覚し、自らに責任があることを明確にして、国民全体の共感が得られるよう覚悟を持って臨むべきである。
 自治体の中には、自区域内に埋立処分場を有せず、他地域の民間処分場等に依存している現状も多い。そうした自治体では、災害廃棄物の受入れを行うことにより、処分場から焼却灰の受入れを拒否される実態があることが、災害廃棄物受入れを表明できない重要な一因ともなっている。こうしたことから、都は、被災地復興の鍵である災害廃棄物の広域処理の推進にむけて、内閣総理大臣自らリーダーシップを発揮し、覚悟を決めて臨むよう要望し、以下の提言を行う。
一 岩手、宮城両県の災害廃棄物の処理について、国としての処理責任を明確にすること
二 国は、自らの責任で焼却灰の受入れ先となる埋立処分場を確保し、災害廃棄物受入れ自治体の利用に供すること
三 上記のような災害廃棄物の受入条件を国が主体的に整えた上で、内閣総理大臣自らが、全国自治体に対し広域処理の取組を強く求めること
  私は、都のがれき受け入れは、高線量焼却灰を東北に送り出すバーター取引ではなかったかと見ています。秋田では、これに気づいた市民が、汚染焼却灰を都などに返送させていますが、http://www.asahi.com/national/update/1203/TKY201112030123.html 本当に停まったのかどうか。市民には汚染物質を監視する手立てがないし、都では下水焼却灰は今も増え続けているからです。
 焼却灰は汚染物質そのものですが、二次汚染を引き起こすこともあり、こんなものを山間僻地に送り込むのは、国によっては犯罪とされ、責任者は処罰されます。日本も民間企業が許可を得ないでやれば犯罪ですが、自治体なら堂々と環境を汚染できる。このシステムそのものが大問題。
 「相手が受け入れを了承したから、いいじゃないか」というのは理由になりません。引き受けを表明した地域のほとんどに、企業の影がちらついているのが見えます。たとえば、秋田ではDOWA初め、エコタウン進出企業の面々。島田では産廃業者を親族にもつ市長が、社長として受注したいのは確かなようだし、北九州市議会の受け入れ決議も、北九州エコタウンと無縁ではないはず。同地には水面埋め立ての可能性があり、要注意です。http://www.kitaq-ecotown.com/torikumi/
 がれき広域処理は、原発推進派の生き残りをかけた戦いであり、東電救出策に他なりません。たとえば都が処理を委託した東京臨海リサイクルパワーは、実質的に東電の子会社(95%以上の株所有)。神奈川県では、小泉進次郎議員(小泉元首相の息子だって。知らんかった)が、県処分場のある芦名にしきりに出没しているとの話を複数から聞きました。原発を推進し、産廃業とも縁の深い自民党などが、古い体質の地域をウラから抑えているわけ。民主だってもとは自民だしね。
 小さな島国に原発を林立させてきた狂気が、今、なりふりかまわず放射能を拡散しようとしている…これは、ある程度予測つきました。なぜなら、悲惨なフクシマ事故を起こしながら、誰も責任を問われていないし、誰も罪を認めておらず、誰も反省なんかしていないから。解体された原発推進組織はひとつもなく(改編でごまかしている)、ウソを言い続けた科学者は誰も追放されず、謝罪もしていません。原発の安全性をPRし続けてきたメディアは、今またあらゆる手段で、がれき広域処理をPRしています。日本というこの国家には、官僚を含む為政者に責任を取らせる、という、根本的なシステムが存在していないのです。
 幸い、ここにきて、東北の自治体も、「がれき広域処理は仕事を奪う」「地元にカネが落ちない」なんて声を出し始めています。メディアや推進派の、「がれきが復興のさまたげ」なんて大うそ。一般の東北の住民だって反対を言い始めています。
 がれきは現地処理を。ただし、注意が必要です。
 放射能汚染のおそれのあるがれきは、燃してはいけない。以下、私の提言を再掲します。
 線量が低いがれきは、焼却ではなく埋め立てを。その上を厚く土で覆い、樹木や花をたくさん植え、悲惨を防ぎましょう。特に、津波の被災地のがれきは、大量の塩分を含んでいるため、燃すとダイオキシンが発生しやすくなります。ダイオキシン汚染事故がおきたイタリア・セベソ市では、汚染されたがれきや土を封じ込めています。今、現地は木々が生い茂った公園となり、時間を決めて公開されています。焼却灰や下水汚泥焼却灰など、線量の高いものはフクイチ近くに管理型処分場を設け、そこに一時保管するしかありません。当然、現地は無人区とします。
 その代わり、指定汚染地域の人々を一刻も早く国費で救出すべきです。市民は汚染拡散のために税金を納めているのではありません。がれき処理につぎ込まれる巨額の事業費は、被災者の生活再建にこそ使ってほしい。少なくとも、浜通り・中通りの人々に、住居・仕事を用意すること。汚染地の首長は、「帰還」をあおらないこと。
 ★それから、普通の市町村でもごみ焼却の段階的停止を。ごみ焼却は、環境中に微小化した放射能を効率よく拡散するための装置であり、その汚染は地球すべてに広がってしまうからです。特に、都市部は、今こそ真剣にごみ減量と焼却禁止に向けて取り組むべきでしょう。2012.3.22

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
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