10月3日、台湾・嘉義県の台プラ社南亜工場で火災が発生し、17時間も黒煙を上げ続けたあげく、ようやく鎮火したというニュースがありました。火の勢いはものすごく、付近には刺激臭・悪臭が立ち込め、環境保護署はただちに観測機器をつんだ四台の車両からなる毒灾应变队〔毒性化学物質対策チーム?〕を派遣しています。
台プラ集団もすぐ記者会見を開いて謝罪し、賠償を約束していますが、実は同社の火災は初めてではなく、住民たちはまだ火災の最中から抗議を始め、これが大きく報道されました。対策チームの測定によれば、大気中のSO2とNO2は10%増えたが、「標準内」とのこと。ただし、悪臭は標準値を超えたため、100万台湾ドルの罰金を科し、工場に無期限の停産を命じました。
プラ火災が怖い!と思うのは、この後。
火は17時間後にようやくおさまりましたが、現地では午後になって雷を伴う雨が降りました。
それは黒い雨。水が飲めないとおびえる住民に対し、黒い雨を分析した県の環境保護局は、PHは7.73と中性に近いが、飲料水への影響は試験結果が出るまでわからないとのこと。由来不明の黒い水をなぜ「飲まないで下さい」と言えないのでしょうね(↓の動画には、火災前の水道水と火災後の黒い水を示す住民の姿がありますので、見てみて)。
でも、「経済」の前に「環境」は犠牲になりやすい。同工場は今後、増産の予定だったそうで、こうなると問題がもみ消される恐れもなきにしもあらず。有害物質など「取るに足らない」と公言する学者だっているのですから。なお、日本の廃プラ焼却処理は、黒煙こそ出さないけれど、化学物質が連続して反応しているわけだから、ほんと、何が出ているか誰にもわからないのです。2010.10.5
(参考)
http://gb.chinatimes.com/gate/gb/news.chinatimes.com/realtime/0,5255,110105x
112010100300692,00.html
http://www.takungpao.com/news/newsyw/1433834.html
http://v.youku.com/v_show/id_XMjExOTYxMTEy.html 〔動画〕