化血研、日本脳炎ワクチンも違法製造

 米大統領選の件でワクチン問題がおろそかになっていましたが、なんと、化血研はやはりワクチンでも「違法製造」を行っていました。

 

化血研、日本脳炎ワクチンでも未承認製造 新たに発覚、厚労省が業務改善命令へ

2016.10.4 18:49 http://www.sankei.com/west/news/161004/wst1610040069-n1.html

血液製剤などの未承認製造問題で今年、業務停止命令を受けた熊本市の「化学及血清療法研究所」(化血研)が、日本脳炎ワクチンも国の承認と異なる方法で製造していたことが4日、分かった。厚生労働省が9月の抜き打ち検査で確認し、4日に発表。同省は医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づき業務改善命令を出す方針で、同社の弁明を聞き最終判断する。また4日付で、同法に基づき、幹部らの関与の有無を含めた原因の調査、報告を求める命令を出したほか、製造販売するインフルエンザワクチンなど全製品(35製品、56品目)の網羅的な調査も求めた。命令文は「このような事態が続けば医薬品製造販売業許可の取り消し処分の可能性がある」としている。

110日間の業務停止後も継続…倫理観の欠如浮き彫りに

 化血研は今年1月に過去最長となる110日間の業務停止命令を受け、5月に解除されたばかり。今回の不正は処分明け後も続けられていたといい、厚労省が事業譲渡を含めた組織の抜本的な見直しを求める中、倫理観の欠如が改めて浮き彫りになった。

厚労省によると、国が認めた承認書では、今回のワクチンの原材料を製造する工程でウイルスを培養する際、毒素などを失わせる「不活化処理」をすることになっているが、化血研は処理の一部しか実施していない原材料を購入し使っていた。このワクチンは平成23年1月に承認され、化血研は製造開始後から不正を続けていたとみられる。今年2月に承認内容の一部を見直した際も、化血研はこうした問題を報告しなかった。ただ、製品の製造工程で不活化処理をしており、品質や安全性に問題はないという。化血研から厚労省に7月、今回の問題とは別の「単純ミス」に関する連絡があり、厚労省などが提出された資料を精査した結果、新たな未承認製造の疑いが判明。9月の立ち入り検査で不正を確認した。化血研は現在このワクチンの出荷を見合わせている。厚労省で4日、命令書を受け取った化血研幹部は「的確な指摘をいただいた。改善を図っていきたい」と話した。

 

 おかしい。まず、化血研問題を審議した厚労省は、初めから「ワクチンは大丈夫」「しかし自粛を求める」と妙な発表をし、ワクチンを別扱いし、調査もしなかったのです。そのため、化血研は110日間の業務停止を受けても、熊本県などの行政指導を受けても、「今後は法律を守る」どころか、堂々とワクチンを違法に製造し続けていたのです。今回は厚労省が資料を精査してわかったことになっていますが、前回も今回も内部告発があって「抜き打ち検査」に至ったのではないか。だって、厚労省の担当者は(何回か話し合ったことがある)、薬剤のプロどころか資料を読み込む能力があるとも思えないので。厚労省の弱腰は、今後も「同社の弁明を聞き」「業務改善命令」を出すかどうか判断するというところにも表れています。法令遵守(コンプライアンス)できない企業なんてーー特に薬剤メーカーの場合、しかも初犯でもないーー存続させるべきではなく、閉鎖が一番。

 また、この記事は、問題がどこにあったのか(原材料の問題か、製造過程の問題か)がはっきりしていません。おそらく、原材料(何や?)の卸企業(どこや?)へ波紋が及ぶのを恐れているのかも。

 なお、今、日本で使われている日本脳炎ワクチンは現在、化血研のエンセバックと阪大微研のジェービックの二種類。前記事 ワクチンによる障害認定、2016年10月 」の資料でも、日本脳炎ワクチンを受けた17歳男児が急性脳症や肝障害を認定されていましたが、直近の9月の副反応検討会資料を見ると、アナフィラキシーやADEMなど重篤な副反応が12件報告されていますが、多くは「ワクチンとの因果関係不明」とされています。http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000137821.pdf

 「ワクチンは害をなす」ことを市民が知らない限り、ワクチン神話とワクチン被害は続くのです。2016.11.23

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/