7月、8000ベクレル以上を燃やす日立造船の狂気

 鮫川村も塙町も、深い森と美しい流れ(久慈川など)に抱かれた、とても美しい地域でした。林業と農業、そして牧畜が主要産業。でも、鮫川村には高濃度放射性廃棄物焼却炉が、塙町には除染木材などのバイオマス発電所(焼却炉)が計画されています。二つの施設は10キロほどしか離れておらず、セットであることは明白。この二自治体が予定地に選ばれたのは、①人口が少ない、②無能な首長、有害な公務員、③住民が声を出さない、の三つの条件が一致したから。そして、今日はとうとう、以下のスケジュールが発表されました。

◆7/4(木)-7/12(金) 空焚き 
土日を除く平日に空焚きをする。

◆7/16(火) 確認運転
8000Bq/kg以下の物を燃やす。

◆7/17(水) 確認運転
8000Bq/kg以上の物を燃やす。

◆7/18(木) 確認運転
8000Bq/kg以上の物を燃やす。
★一般公開  マスコミOK

 世界初の、「放射能再拡散」実証炉だというのに、アセス調査もせず、公害防止協定さえなし。それに、土地は多くの地主がいる共有地ですが、環境省はその全員の同意さえ得ていません(違法行為)。なのに、鮫川の住民は完全な沈黙の中にあり、反対を表明しているのは、周辺市町村(塙町、北茨城市、いわき市など)の住民ばかり。
 100ベクレル以下のがれきでさえ、頑として受入に反対してきたみなさん、8000ベクの高濃度放射性廃棄物を燃やすこの事業に、反対の声をあげてください。電話は環境省廃棄物・リサイクル対策部長梶原成元氏へ。彼は納税者の声を聞く義務があります。
 というか、ほんとの事業主体は日立造船です。「安全神話」をふりまいて数人の地主から同意を得、違法着工から完成にこぎつけた同社は、原子炉のメーカーでもあり、日本の原子力政策の、いわば戦犯。同社にも強い抗議を。これ以上、日本を汚すな、って。なお、同社が言う「放射能は99.9%キャッチできる」がウソであることは、鮫川村役場の職員でさえ、知ってました。2013.7.2

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/