沈黙するマスコミに代わって、なかなかいい記事を書いているのが週刊誌。最近、そこで話題を集めているのが「農薬」のニュース。このサイト久しぶりの話題です。
「ぶどうジュースを飲んだあと意識障害に…」の怖い理由
女性自身 9月13日(金)0時0分配信
「ウーロン茶とぶどうジュースと梨を摂取したという22歳の女性は、来院した時点で呼吸困難と全身の筋肉の引きつりを起こし、歩行不能にまでなっていました。女性の尿からはネオニコチノイド系(以下、ネオニコ系)農薬の代謝産物が検出されましたが、茶と果物の摂取を禁止したところ、数日で改善したのです」そう語るのは、この10年ほどで出荷量が2倍に増えたネオニコ系農薬研究の第一人者、平久美子先生(東京女子医科大学東医療センター麻酔科)。農薬の過剰使用が人体に与える影響について、警鐘を鳴らしている。
「現在、農薬のなかで主流になりつつあるのがネオニコ系です。果物から野菜まであらゆる農産物に使われますが、人間の神経細胞を攻撃して、主に脳と自律神経を狂わす大変な毒物。中毒を起こす患者も出ています」
ネオニコチノイド中毒は、頭痛や抑うつ、意識障害など中枢神経症状が多く見られるのが特徴。ほかにも、筋肉のけいれんや痛み、発熱、手足の冷え、腹痛に咳、また頻脈や極端に脈が遅いといった症状も。摂取量が多いほど、症状は重篤化していく。ところがこのネオニコ系農薬、日本の残留基準値は、欧米に比べて異常に高いのだという。「日本の基準の甘さは驚くべきもの。お茶なんてEUの300倍も甘い」(中略)「まだ研究段階ですが、最近、発達障害が増加傾向にあるのは、遺伝や生育環境と合わせて農薬の影響もあると疑われています」
その基準値の甘さの背景には、農薬開発時に臨床医がおらず、動物実験のデータだけで安全性を確認していた現状があるという。平先生らが人の尿からネオニコチノイドの代謝物を検出するまで、ネオニコ系農薬が人体に与える影響について、誰も調査を行わなかったのだ。「私たちにできることは、まず大量摂取しやすいお茶や果物は一気に飲み食いしないこと。茶葉を使うものはできるだけ控えて、麦茶や水に替えるのもいいでしょう。そして、野菜や果物はできるだけ顔の見える生産者から買うこと。これがせめてもの対策です」http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130913-00010003-jisin-soci
日本の「食」を脅かしているのは「放射能」だけではない! それは今に始まったことじゃないけれど、問題は、この現状に正面からモノを言える体制がない、ってこと。呼吸困難を起こすようなジュースが平然と生産され、流通されている、不思議な国、日本。ま、消費者の代弁人がゼロでは、こうなるのも当然。それどころか、業界は、この「ヒツジ国」を見越して、あろうことか、311後の「虚」をついて、規制緩和を成功させていました。
農薬の“ドサクサ”規制緩和で子どもが危ない
更新
2013/7/ 9
11:30 ドットアサヒ http://dot.asahi.com/wa/2013070500020.html
6月12日午後。頭痛や体調不良を訴え、小、中学生らが群馬県前橋市にある青山内科小児科医院の青山美子医師のもとへ駆け込んできた。その後、12日に高崎市、13日には甘楽(かんら)町で無人ヘリコプターによるネオニコチノイド系農薬(以下、ネオニコ系農薬)・チアクロプリドの空中散布が行われていたことがわかった。(中略)
東京女子医大の平久美子医師によれば、青山医院を訪れた農薬の慢性中毒とみられる患者は06年8月から8カ月で1111人。うち549人が、果物やお茶、野菜を大量に摂取していた。
「その後も似た症状の患者が後を絶たず、果物やお茶の摂取をやめさせると、症状は改善され、消えました。さらにはお茶を飲み、桃とナシを食べて胸が痛くなったと来院した30代の女性の尿からは、かなり高い数値のアセタミプリドが検出されたのです」(平医師)
これらの臨床結果から、お茶、果物などのネオニコ系の残留農薬が中毒の原因ではないかと疑った平医師が世界各国の残留農薬の基準値を調査し、日本だけが突出して高すぎることを問題視した。事実、日本のネオニコ系農薬の食品中の残留基準はEUやアメリカと比べると、なんと数倍から数百倍も甘く、特に果物、茶葉について、顕著な差がみられたのだ。しかも驚いたことに、日本では欧米と逆行して、一部のネオニコ系農薬についての残留基準がさらに緩和されていた。例えば07年10月に基準が改定されたネオニコ系のジノテフランの残留基準は、ほうれん草で5ppmから15ppmに、春菊で5ppmから20ppmに、チンゲンサイも5ppmから10ppmになった。さらには11年12月に改定されたネオニコ系のイミダクロプリドは、ほうれん草について従来の2.5ppmから15ppm、なすで0.5ppmから2ppmなどと緩くなった。いずれもネオニコ系をより使いやすくする“規制緩和”である。しかも、イミダクロプリドの数値が改定されたのは、11年3月の東日本大震災後。5~6月にパブリックコメントを短期間募集して、国民が放射能に怯えるドサクサにまぎれて改定していた格好だ。
青山医師と平医師は、厚生労働省食品安全部基準審査課に、残留基準を厳しくすることを求める手紙を書いたが、今年2月に送られてきた返事は、期待はずれなものだった。これら(手紙)については拝読させていただき、貴重なご意見として今後の業務の参考とさせていただきます〉などと書かれているだけで、具体的な改善の兆しはまったく見られなかった。そして冒頭の“事件”が起こるべくして起こったのである。※週刊朝日
2013年7月12日号
許せませんねえ。経済性のために生命と健康を犠牲にして平気な業界と農家。ほんとなら、農協、消費者団体、行政が一体となって、この毒物蔓延を止めなければならないのに、実体は真逆。EUでは今年の4月、ネオニコ系農薬の使用禁止をめぐって投票を行い、27か国中15カ国の賛成で(反対はイギリスなど8カ国、棄権4カ国)、今年12月1日から、二年間の予定で、イミドクロプリド、アセタミプリドなど三種類が、原則、使用禁止となります。フランス、ドイツ、イタリアなどはそれ以前から使用を禁止していましたが、これらの国々は、また遺伝子組み換え作物(GMO)にもとても敏感。日本はGMOだってほとんどバリアフリーだし、この上TPPが導入されたら、いったいどういうことになるのか。
上の記事には、こういう書き込みがありました。
「日本人の主食であるお米にもネオニコチノイドは使われています。箱製剤と言って苗箱に種を播くとき、そして池田でも8月に入って空中散布が行われます。田んぼの隅に赤い小さな目印が表示されます。本来こんな危険な物を播くのであればもっと大きく誰にでもわかるように表示し、危険だから近寄るなと警告するのが撒布する側の責任であると思いますが如何でしょうか。とにかく危険だから秘密裏にわからないように行われているこの国は、生き物(人間も含めて)の命を粗末にしています。原発と一緒声を上げ行動することが大事です。やられるままを黙って受け入れることなんかもう限界に来ていますよね。これを田んぼにまくと無数にいるクモ〔益虫)が全滅。カメムシ防除が裏目に出て被害甚大。無農薬の田んぼには今10アール当たり10万匹のクモがせっせと網を張り巡らし害虫が飛び込んでくるのを待ち構えています。是非田んぼを見に来て下さい。」秋吉
清一郎 · 天理大学
残念ながら、既存の団体や組織は、現状を変えられずここまで来てしまったのだから、これまでと違うプレーヤーが、それなりの戦略で動かないと、環境悪化は止められません。じゃあ、どうする?ったって、こればっかりは「組織」が必要だしなあ・・・2013.10.2