この時代、妊娠した?と思うと、みんな迷わず病院に行きます。そして産科で超音波健診(エコー検査)を受け、「おめでたです。4ヶ月ですね」なんて言われて・・・・・・そこに「危機」がひそんでいるとは、誰も考えません。
ところが、スエーデン、ウプサラ大学の医師らの調べによると、このエコー検査が死産に関係しているようです。特に女の赤ちゃんが。『Epidemiology』誌に発表された論文要旨①を簡単に紹介すると:
42週を過ぎても出産しないと、胎児のリスクが高まるため、予定日の確定はとても大切です。しかし、女の胎児は男の胎児より小さいので、エコーでは実際より月齢が少なく出てくるのではないか・・・そう考えた研究者らは、「スウエーデン医療出生登録」をもとに、エコー検査装置がまだなく、最後のメンスから胎児の月齢を計算していた1973-1978年(A) の出産例43万件と、エコーが一般化した1995-2007年の77万件(B) を比較したのです。
その結果、両方の時期とも、月齢39―43週で生まれた赤ちゃんの性別には違いはなかったけれど、障害については、A時期では男の子に多く、Bの時期では女の子に多かったのです。研究者は、胎児が小さいため月齢を実際より小さくみつもり、予定日過ぎての出産(過熟児)になった可能性を示唆しています。しかも、Bの時期に生まれた女の子は、男の子より死産率が60パーセント、胎便吸引(肺をつまらせて死に至る)のリスクが40パーセント高かったそうで、研究者は月齢を確定するためには、メンスからの計算も必要と主張しています。
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あくまでもスエーデンの例です。日本では、エコーは「とても安全な検査」②、「リスクが全くないので何度受けても身体に悪い影響は与えません」③とされています。それどころか、ママに胎児画像を渡すサービスも少なくないようで④、とても違和感を覚えました。だって、胎児に超音波をあてるという行為が、危険度ゼロのはずはないでしょう? でも、エコーについて明確な規定はないようで、はっきりいって野放し状態のよう。このままでいいのか? 2010.10.07
(参考)
① link.reuters.com/cem25p Epidemiology, online August 27, 2010
②http://echoic.mad.buttobi.net/
③http://odaka-cl.cool.ne.jp/kennsakiki.htm
④http://www.jineko.net/forum/妊娠・出産の広場/出産/160776
超音波検診
この記事を書いた人
山本節子
調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/