老人ホーム「コロナ死」もでたらめ

 アメリカの情報です。日本でも老人ホームや介護施設などでのコロナ集団感染(クラスター)が問題になりましたが、アメリカの集計は、誤差を通り越してまったく「でたらめ」だったというお話。

コロナ感染データ、ショッキングな「ひどい間違い」

Nursing Homes Shocked at 'Insanely Wrong' CMS Data on COVID-19

https://www.medpagetoday.com/infectiousdisease/covid19/86967( June9.2020)から

 6月8日月曜日、CMS(メディケア&メディケイドサービスセンター、医療福祉省内の連邦機関)は最新の全国のナーシングホームのコロナ感染データを公表した。しかしその内容に、関係者は飛び上がった。何しろ、ある施設では一床あたり8名のコロナ死が発生したことになっていたのだ。CMSは5月1日、新しい規則にもとづいて、メディケアまたはメディケイドの払い戻しを受けている全国15,000以上の老人ホームに通知を出し、居住者、スタッフ別のコロナ感染者や、感染テストの有無など発生状況を報告するように求めていた(以後も毎週報告が必要)。6月7日の猶予期間までにデータが更新できなければ、毎週1,000ドルの罰金を科すとしていた。その結果、CMSによれば、5月31日の締め切りまでに88%の施設が報告を出したという。

 しかし公表された数値websiteは、施設側の報告とかけ離れたものだった。

死者数も感染者数も「めちゃくちゃ」

 例えば、マサチューセッツ州のソーガス・リハブ・ナーシングセンターは感染者794例(スタッフ281例)と、国内2番目に多かったが、管理者は「その数字はどこから来たの? 報告した数字と違うわ」と憤る。80床しかないこの施設では、コロナ陽性は45人、死亡した居住者は5人、スタッフのうち陽性反応を示したのは19人。管理者が、CMSの指示通りCDCの国家ヘルスケアセーフティネットに報告したのはこの数字だったという。

   全国最多の死者753人を出したとされた(その後削除)ニュージャージー州パラマスのデルリッジヘルスセンターは、「当院は90床しかなく、死者も20人未満でした。そんな不正確な数を報告すると思いますか?」という。さらに、シカゴの100床のスミスビレッジでは、居住者1105、職員955例の感染確定例が報告されていたが、実際には居住者の感染陽性は38件、死亡者は14名、スタッフの感染陽性あるいは擬陽性は37、死亡者はゼロだった。またオクラホマ州コルバートのサザンポイントリビングセンターでは、居住者に確定例や疑い例はゼロだったにもかかわらず、Covid-19による死者は95床の3倍以上にあたる339人と報告されていた。 「ここでは誰も亡くならなかったし、COVID-19の患者もいなかった」と匿名の職員は述べた。CMSの発表の後、施設にはCDCから報告書のデータが正しいかどうか問い合わせがあったという。「正しくない、と答えました。どうして間違ったのか知りませんが、間違えたのは彼らです」と、上記職員は言う。

 しかし記事の時点で、このデータは訂正されていない。

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 意図的なデータ操作?

 払戻金のことがあるので、施設側はまちがいなく「まともに」対応したはずです。一方、行政のプロであるはずのCDCやCMSは、物理的にありえない数字と知りながら(必ずベッド数と対応させるから)、間違った数字を平然と発表。その記事が↓です。

  Nearly 26,000 COVID deaths in nursing homes spur inspections 2020/06/01

(老人ホームコロナ死26,000近くで、求められる検査)

 CMSの管理者、シーマ・ ヴァーマは、記者会見で多くの死者を出したホームに対し、より厳しい検査の実施を求め、感染対策が十分でない施設には高い罰金を科す、指示に従わないホームは閉鎖する、などと脅しています。でも、彼女はもともと医療政策のコンサル、リストに目を通せばその数値のウソはすぐわかったはずですが。実際は、政権側はその間違いに気づかないフリをし、訂正申し入れにもすぐには応じようとせず、施設側のフラストレーションを高めたとのこと。つまり、政権側はデータの「めちゃくちゃな間違い」を知りつつ、あえてそれを流し拡散するままにしておいたわけ。…これは「間違い」ではなく、れっきとした「データ操作」です。

 彼らの意図? これまた、病院での「コロナ死」水増しと同じような政治的配慮が働いていたわけです。

 ①何としてでもコロナ感染者と死者を多いままにしておき、市民の恐怖を煽り続ける(人類すべてにワクチンを)

 ②メディケアやメディケイド制度につながる施設をコントロール下に置く(カネで縛る)

 ③老人ホームに家族を預けている人々に、施設に対する不信感を植え付ける(市民が政府の言うことを信じるようにする)

 ④施設の評判を落とし、すべての施設が政府の言うことを聞くようにする

 死に近い老人たちを、ウイルス詐欺を本当らしくするための材料にしているわけですね。これまでもそうだったし、これからは余計そうなるでしょう。市民はこれまで以上にコロナ死やコロナ感染の「大本営発表」を疑ってかかる必要があります。

2020.6.15

 

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/