いいニュースはちょっぴり、悪いニュースが次々と入ってきますが、今日は極めつけ、最悪のニュース。福島県鮫川村に指定廃棄物の実証試験用の焼却炉ができるんですと。狂っとる。
下はそれを心配している人が、村議員に出そうとしている請願ですが…最初は、「一時的」、「実験施設」で始まっても、やがて恒久的なものになってゆくのは公害施設の歴史が証明しています。こうして、日本では指定廃棄物(高レベル放射性廃棄物)までどんどん燃やすことになるんだねえ・・・・・・誰が止められる?
鮫川村議会議長 殿
2012年12月5日
青生野地区江掘に設置される仮設焼却炉の情報公開と見直しを求める請願書
請願者
那倉を放射能汚染から守る会
北村孝至
和田央子
(趣旨)
青生野地区で建設中の焼却処分場は、地域住民への説明責任を一切果たさず秘密裏に建設が進められています。説明会はもとより設置場所も非公開の上、施設に関する一切の情報も開示されません。貴村がこのように地域住民を無視して本事業を強行することは極めて重大な問題である上、放射性物質を拡散する可能性という観点から社会的に大きな責任を負うものであり、広く公開の場での説明及びこれまで情報公開申請した全ての情報(本事業に係る資料一式、東電からの飼料代賠償に係る資料一式)を公開すること、それまでは建設を中止することを強く求めるものです。
(理由)
1. 地域住民への説明と情報公開
建設予定地は塙町、いわき市、北茨城市との境にあり、焼却処分場建設による影響は貴村住民だけでなく近隣市町村住民にも及ぶものですが、建設が始まった12月なっても依然として貴村では地域住民への説明会すら行っていません。当会(請願者)は専門家による勉強会を開催し、国による安全データのみを信用せず、危険性の面からも十分検討して頂くため、再三に渡り貴村に出席の要請をしましたが、大樂村長以下誰一人出席頂けず、安全確保を図るためにあらゆる観点から検証しようとする姿勢が見られません。さらに施設に関する資料の開示にも応じていません。
本来あるべき説明も資料の開示の一切もせずに「安全性」のみ強調する対応は村の信用を著しく失墜させるものです。
本来はまず地域住民に対し、施設の構造や規模、処理方法、焼却対象物の種別と汚染濃度や総量、焼却灰や排気ガスの濃度と取扱い、焼却灰の飛散防止策と処理保管方法、測定方法や測定地点と頻度、フィルタ交換と廃棄方法、汚染予測と防止対策、作業員の被曝対策、住民の被曝対策について説明した上、理解を得るのが筋です。まずはこの点について実施されること、それまでは工事を中止するよう求めます。大樂村長は「放射性廃棄物を一掃して事故前のきれいな村に戻したい」と説明されていますが、焼却施設を作っても放射性物質の総量は変わらず、単に一箇所に集めるに過ぎません。村内から汚染物を集めて近隣市町との境界に迷惑施設を押し付け、地域住民には一切の説明も情報開示せず、あたかも自分達だけが綺麗になればよいという考えは余りにも身勝手であり、住民の健康と安全を守る自治体の責務を放棄しているばかりかむしろ害悪であるとさえ言っても過言ではありません。
2. 焼却炉建設の必要性の見直し
8,000ベクレルを超える放射性廃棄物(指定廃棄物)の焼却実験とのことですが、対象のものはわずか28トンに過ぎません。どうしてもこの処理が必要ということであれば、これだけ一時的に保管し、3年後に政府が作る中間貯蔵施設に持ち込めばよいだけの話で、焼却炉を作る必要はありません。現地は広大な牧草地であり、保管する場所はいくらでもあります。ここに雨水の侵入を防止するコンテナを設置し保管すれば良いだけのことです。予定している600トンのうち現在あるのは200トン余りであり、残りは今後除染で出てくることになっています。しかし、周囲の線量は0.1マイクロシーベルト台であって除染の必要はありません。沢水など村民の生活に直結するマイクロスポットのみの除染で十分であると考えます。
3. 焼却処分は放射性物質の二次汚染を引き起こす可能性が高く危険である。
当会(請願者)では処分場建設について広く専門家の意見を聞いた結果、危険性の高い施設であるとの認識に至りました。専門家は、「バグフィルターによる放射性物質99.99%除去」「セメント固化灰を安全に埋立保管」等の環境省の説明を完全否定し、「汚染は避けられない」との認識で一致しています。<資料1>焼却によりバグフィルターを素通りする放射性物質は極めて微細であり、わずかな量でも吸引すれば肺へ沈着し体外排出が困難になります。その結果長期に渡り細胞に直接放射線照射を間断なく受けることで確実に遺伝子を傷つけます。0.01ミクロンという微細な粒子は肺胞を通過し、赤血球と結合して全身に回り、あらゆる臓器を傷つけます。<資料2> 特に細胞分裂の活発な子供にとっては致命傷となりえます。セシウムは水溶性が高く、山間地にしばしば発生する霧に濃縮されるため、霧の吸引は極めて危険とされます。このような最低限の健康被害の危険性すら住民には一切知らされていません。
大熊町、飯舘村で行われた焼却実験では、200万ベクレル/kgを超える汚染灰が発生しています。<資料3> キロ当たりの濃度もさることながら、総量換算では鮫川村で排出される灰の濃度は更に高くなると予想されます。実験では焼却灰を10万ベクレル/kg以下に抑えるとのことですが、単に灰を希釈するかどうかの違いだけで、放射性物質の総量は変わらず意味がありません。
4. 焼却灰の埋立は水源汚染をもたらす可能性が高い。
建設予定地は自然林に囲まれた水源涵養地であり3つの河川の源流となっています。<資料4> 豊かな生態系の象徴であるとされる国の天然記念物であるヤマネも生息する貴重な地域です。
ここに焼却灰をセメント固化して3~5年埋め立てるとのことですが、フレコンパックの寿命は3年、セメント固化灰は浸潤により1年余りで崩壊する<資料5>上、遮水工の破断事故は必然的に全国で起きています。凍結や地震も勘案する必要があります。専門家は、「汚染されれば取り返しのつかない事態になる」と指摘しています。11月30日いわき市議3名が現地を視察しました。いわき市の水道水源約85%は夏井川・鮫川などの中小河川の表流水に依存しており、いわき市の水道水源保護地域の上流域、鮫川水系のひとつ四時川の源流部のひとつが焼却炉設置場所に位置することを確認されました。この結果焼却炉の建設は水源を汚染する可能性があるとし12月3日
の議会で質問されました。<資料6>
5. 貴村の信用とイメージが失墜する。
貴村は「大豆による村興し」や「無農薬・低農薬の安心安全な農産物」を作り全国から高い支持を集めています。焼却炉建設はこうした村民の期待や努力、多くの人の支持や信頼を失うことにつながります。風評のみならず水源が汚染されれば実害となるため、多くの住民が不安を抱えています。
6.公費の無駄遣いである。
事業費は3年間で7億円とされています。上記の通り必要のない焼却炉建設により巨額の国費が投入されることに対し広く国民の理解を得ることはできません。被災者の補償が進まず、未だに県内の線量の高い地域に多くの子供たちが生活しているのですから、これらの方々に優先して活用されるべきです。
<その他資料>・東京新聞掲載紙(11月25日付け朝刊「こちら特報部」)
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皆様、賛同いただけますでしょうか!団体名もしくは個人名を12月4日(火)までに 和田 mypace@ac.auone-net.jp までお願い致します。
環境省+業界の悪巧み極まれり。村議会の反応もわかっているし、情報公開より、中止を求めるべきだと思うので、私は賛同しません。それに、サイトhttp://togetter.com/li/415935を見ると、阻止の可能性もあるんだけれど…なんだかねえ。2012.12.3
福島・鮫川村の高レベルごみ実験焼却炉
この記事を書いた人
山本節子
調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/