中国で大きな自然災害が続いています。甘粛省南部の舟曲県では、数日間続いた大雨で大規模な土石流が発生し、町の三分の二が土石流で埋まりました。時間雨量は最大で、30分76ミリに達したというから、住民は恐怖を感じたことでしょう。
http://www.gov.cn/jrzg/2010-08/14/content_1680005.htm
土石流は、谷の底を流れる白龍江をふさぎ、塞き止め湖が出現。泥土の中を十数時間かけて現地に到着した救援隊は、災害の拡大を防ぐためこの堰を爆破しています。しかしこの「特大土石流」による死者は8月14日までに1239人。505人が行方不明のまま。
http://www.gov.cn/jrzg/2010-08/14/content_1679994.htm
廃墟と町を埋める土石、ガレキの山、救援隊と犬、マスク姿、消毒作業、そして人々の悲哀は四川地震の時と同じ。政府は8月15日をこの自然災害による死者の哀悼日としました。娯楽活動は自粛が求められ、ニュースサイトもカラーではなく白黒になっています。これも四川地震以来で、義捐金や救助物資も全国から寄せられることでしょう。
http://news.baidu.com/z/r/gsnslzh/index.html
ところで、甘粛州のすぐ南が四川省。その四川省汶川といえば、四川地震の中心地でしたが、ここでも豪雨による土石流が各地で発生、死者も14日まで41人に達しています。そびえる岩山と岷江(ミンジャン)の激流に臨むこの地でも、いくつもの塞き止め湖ができ、二次被害が心配です。
http://www.119.cn/jdxw/txt/2010-08/14/content_3660360.htm
専門家によると、日照り続きで地盤に亀裂が入っていたのと、地震の後遺症で地盤が緩んでいたところに暴雨が襲ったため、一気に土石流につながったそう。町を囲む岩山と、その上にある現地人の住居と、宿のかわいい少女たちのことを思い出しました。無事でいてくれますように。そして死者には平安を(今日は敗戦記念日でもありますね)。 2010.8.15
甘粛省舟曲県の大土石流
この記事を書いた人
山本節子
調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/