環境省の情報公開で腹が立った件

 四月、市民運動をやっていて、よく「振り出しに戻った」と感じるのがこの季節…

 4月15日、鮫川焼却炉問題の件で環境省に行ったところ、それまでの担当者3人のうち、二人まで異動になっていました。しかも、新担当者には申し送りもなく、前回の約束さえ伝わっていなかった(~_~メ)。振り出しに戻った~~それより、もっと驚いたのは、前任者も新任者も、もともと農林畑からの出向ということでした。工エエェェ(´д`)ェェエエ工…絵文字を使いたくもなります。

 道理でね。311以後の廃棄物行政は、「環境省、狂ったか?」というほどひどく、もともとごみ行政に携わっている役人には、かなり抵抗があったはずです。最狂は、放射能濃度が8000Bq/kgまでなら、ふつうのゴミとして燃やせるという「指定廃棄物」制度ですが、そこに割り当てられたのが、ごみ行政ど素人の農林族だったとは・・・情報公開で、普通なら出すべき部分も墨塗りにしたというのも、これで納得。彼らは本当に何も知らなかったのです。それどころか、「出していいか?」と「日立に意見照会した」というので、この日はその照会文を出させ、墨塗りの指示は日立が出していたことを確認したわけです。

 今の環境省が、いかに企業統制下にあるかを示していますが、やってきた新任者は、むしろ誇らしげに「前は畜産振興をやっていました。福島県でも食べて応援とか…」というので、「焼却炉は公害施設であることはわかってますね?」と聞くと、「え?…あの、焼却炉がないと、ごみが溜まって困ります」というアホな答え。思わず、「は? 公害施設と認識してるかって聞いてるのよ(`Δ´)!」と強い言葉に。それでも「・・・いいえ、そうは認識していませんが・・・」。話にならん。すぐに別の担当官を呼んで同じ質問をすると、彼は「はい、焼却炉は公害施設です」と小さい声で認めましたが・・・。

 はっきりしたことがあります。それは「わからんちん」ばかりに、放射能汚染対処特措法の事業をやらせているということです。前任の福島氏も、公文書偽造の事実があることを知りながら、「違法性はない」とうそぶき、爆発後の施設修理を急がせてきました。ところが、3月18日に再稼働した施設は、1ヶ月も立たないのに「メンテナンス」で停止中。普通の焼却炉は、長期間、仮運転し、問題がないことを確認して引き渡しますが、鮫川の焼却炉は「国直轄」で、そんな段階もなし。それどころか、実証プラントなのにアセスも行わず、住民同意も取らず、公文書を偽造し、地権者の反対があることを知りつつ違法着工し、その結果、爆発を起こし、その事故報告書を隠蔽し(104ページ中、102ページが完全に真っ黒、見出しもわからないー完全隠蔽)、利害関係者に説明もせず(近隣住民の多くが反対署名を環境大臣に提出済み)、「安全・安心」とのウソをくりかえしているという状況です。まあ、それに加担した鮫川村もひどいけどね。

 今の廃棄物行政は、以前にもまして、科学的合理性や法理とは無関係に進められています。その問題を、一市民である私が指摘し続けなければならないのは、いくらなんでもおかしすぎ。この国を多少とも正道に戻すなら、まず公務員が動くべきなのです。2014.4.17

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/