港運協会のがれき受け入れ宣言

 港運協会のボスがこういうことを言っています。なるほど、黒岩氏が「がれきは船か電車で運ぶ」と言ってたのは、こういう含みがあったのか…
 がれき搬入「日本人として責任」

2012年2月2日  読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866918/news/20120202-OYT1T00066.htm?from=popin
 横浜港運協会の藤木幸夫会長は1日、横浜市内で開かれた黒岩祐治神奈川県知事の後援会発会式であいさつし、東日本大震災で発生したがれきについて、「横浜港でどう受け取るかやっているところだ」と述べ、受け入れに協力する考えを示した。藤木氏は、細野環境相がお忍びで藤木氏を訪ね、横浜市の林文子市長とともに面会した際、細野氏から「よろしくお願いします」と言われ、「わかった、やろう」と応じたことを明らかにした。藤木氏は「港の風評被害の恐れはあるが、国民的な大悲劇の後始末をする日本人としての責任がある。黒岩知事と頭を使ってきちんとやる」と語った。藤木氏は、横浜、川崎、横須賀3港運協会を傘下に置く神奈川港運協会長も務める県経済界の有力者。
 環境相が「お忍びで」会いに来るぐらいだから、そりゃあ「有力者」でしょう。Wikによれば、藤木氏という人は横浜港運協会会長のほかに、横浜エフエム放送代表取締役社長、㈱横浜スタジアム取締役社長、そして横浜港振興協会会長という要職についています。でも、9月の時点では、彼はガレキ焼却灰受け入れに反対していました。それが一転、「日本人の責任」なんて言い出したのは、実に気持ちが悪い。で、サーチしたら、横浜港振興協会の役員名簿が見つかりました。
平成23年度 社団法人横浜港振興協会 役員名簿 (五十音順)
1 名誉会長林 文子横浜市長
2 顧問宗永 健作横浜税関長
3 顧問黒岩 祐治神奈川県知事
4 顧問佐々木 謙二横浜商工会議所会頭
5 会長藤木 幸夫横浜エフエム放送株式会社代表取締役社長
6 副会長小此木 歌藏株式会社小此木代表取締役社長
7 副会長塚原 良一横浜商工会議所専務理事
8 副会長田邊 典夫日本郵船株式会社横浜支店長
9 副会長藤木 幸太藤木企業株式会社代表取締役社長
10 専務理事兼常務理事永田 隆社団法人横浜港振興協会専務理事兼常務理事
11 常任理事飯泉 牧太郎東横商船株式会社代表取締役会長
12 常任理事石井 善次丸辰海運株式会社代表取締役
13 常任理事石川 隆義株式会社石川組代表取締役社長
14 常任理事井上 隆丸全昭和運輸株式会社相談役
15 常任理事上野 誠旭日通産株式会社代表取締役社長
16 常任理事小野 耕一横浜川崎曳船株式会社代表取締役社長
17 常任理事金井 良樹横浜市港湾局局長
18 常任理事金田 孝之財団法人横浜港埠頭公社理事長
19 常任理事木島 勲内外日東株式会社代表取締役社長
20 常任理事串田 素宏東照海運株式会社代表取締役
21 常任理事齊藤 昌哉東京汽船株式会社代表取締役会長
22 常任理事酒井 英治横浜港湾作業株式会社代表取締役社長
23 常任理事笹田 照近株式会社笹田組代表取締役社長
24 常任理事左右田 照夫横浜新港倉庫株式会社代表取締役会長
25 常任理事髙橋 幹雄藤木企業株式会社代表取締役副社長
26 常任理事筒井 博株式会社日新代表取締役会長
27 常任理事長谷川 元第一船舶企業株式会社代表取締役社長
28 常任理事原田 重和一般社団法人日本貨物検数協会横浜支部 理事支部長
29 常任理事原田 龍次郎原田港湾株式会社代表取締役社長
30 常任理事古屋 公明株式会社日新取締役常務執行役員
31 常任理事三浦 和彦株式会社MOL JAPAN 横浜支店長
32 常任理事安田 肇大黒倉庫株式会社代表取締役会長
(以下略、役員総数65名)
 まるで財界と政治家の相関図というか、癒着図を見ているようなものです。この連中が、そのまま黒岩知事の後援会になだれ込んでいるとしたら、「がれき焼却事業」の受益者は誰かもはっきりするというもの。細野は、この連中においしい見返りを約束して助けを求めたのでしょう。なお、林氏が名誉会長なのは、横浜市長が港湾管理者だから。とにかく、黒岩・林氏は、市民の代表なんかじゃなくて、まさに業界ホープとして立ったけです。
 港湾事業というのはいろいろあるから、このリストはそのまま、黒岩・林両氏へのプレッシャーを意味しています。私は以前、黒岩氏が「脅されているのでは」と書きましたが、その直感はあたっていたのかもしれません。これは政財界の癒着のごく一部に過ぎませんが、このつながりを絶たない限り、行政が市民に顔を向けることはありません。2012.2.7

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/