沖縄、高江でおきたこと

 関東では、沖縄のことはあまり報道されませんが、見過ごせない「事件」が、米軍の沖縄ヘリパッドの工事現場でおきました・・・といってもぼうりょくじけんではなく、「暴言」事件ですが、多くの人々が心の中で血を流したはず。

ちなみに、問題の動画はここ→https://www.youtube.com/watch?v=RN4quKDmf3s

「ぼけ、土人が」機動隊員が反対派に

「報道やり過ぎ」「反対派も過激」大阪府知事 差別擁護に批判 背景に基地集中容認

2016102111:03 http://ryukyushimpo.jp/news/entry-379240.html

 米軍北部訓練場ヘリパッド建設の抗議現場で、大阪府警から派遣された機動隊員が「シナ人」「土人」などと発言した問題で、大阪府の松井一郎知事は「命令に従って沖縄のために無用な衝突が起こらないように職務を遂行している」などと機動隊員を擁護する見解を示した。ヘイトスピーチに詳しい識者は「行政が差別をしっかりと非難し、二度と繰り返さないようにするべきだ」と指摘した。

松井一郎氏■大阪府知事が言及
【大阪】松井一郎大阪府知事は20日午前、登庁時に報道各社の取材に応じ「表現は悪かったし、反省すべきだと思う」と述べた上で「(発言した)彼自身、命令に従って沖縄のために無用な衝突が起こらないように職務を遂行しているわけで、あまりにも個人を特定されて、大メディアも含めて徹底的にたたく。これやり過ぎでしょう」と述べ、発言した警察官への報道が個人への攻撃になっているとの見解を示した。「土人」と発言した警察官が警察庁や国家公安委員会によって処分されるとも述べた。松井氏の、短文投稿サイト「ツイッター」への投稿を巡っては、日本維新の会県総支部が抗議することを決めたが、松井氏は撤回しない考えを示した。松井氏は北部訓練場周辺の抗議行動に対して「もともと混乱地で、無用な衝突を避けるために、警察官が全国から動員されている。じゃあ、混乱を引き起こしているのはどちらなんですか」と述べた上で「反対派の皆さんもね、その反対行動、あまりにも過激なんじゃないか」と述べ、市民らの抗議行動が過激だとの見解も示した。松井氏は19日夜、短文投稿サイト「ツイッター」で「表現が不適切だとしても、大阪府警の警官が一生懸命命令に従い職務を遂行していたのが分かりました。出張ご苦労様」などと投稿していた。一方、府庁には20日午後5時までに計385件の電話やメールが寄せられ、大半が松井氏への批判だった。

背景に基地集中容認 ジャーナリスト安田浩一さん
 本来なら率先して、機動隊員の差別発言を許されざるものだと意志表示すべき立場の大阪府知事が擁護するような物言いをした。許されることではない。ヘイトスピーチをあおるのは匿名多数の人だけではない。公人の責任が大きい。これは個人の警察官の問題ではない。「琉球処分」以降、日本が連綿と抱えてきた、沖縄に対する蔑視、差別がたまたま一人の警察官の口から出たということだ。差別は地理的問題だけでなく、沖縄を差別してもいいと思っている人たちがいるということだ。基地が沖縄に集中してもかまわない、むしろ沖縄だからいいんだと考える政治、日本社会がある。沖縄の「基地が多過ぎませんか?」という実にシンプルな問い掛けを、わがままだと思う日本社会がある。その意識が発言に結び付いた。国会答弁を聞いていると、今回の発言を「不適切だった」で終わらせようとしていると感じる。不適切かどうかを議論しているのではない。この発言は歴史的経緯や文脈から明確に差別だということだ。行政のやるべきことは、きちんと非難し、二度と繰り返さないようにすることだ。6月施行のヘイトスピーチ対策法は、国や自治体、国民にヘイトスピーチをなくす努力を求める法律で、今回のような特定の発言を罰することはできない。しかし、市民の抗議活動に公務員である警察官が差別的発言をするのは法律以前の問題だ。

 ・・・松井知事がまだ居残っているとは知りませんでした。もともと見識が疑われる政治屋。戦争バンザイ、米軍大歓迎というところか。立場を考えると彼の言動は国際問題に発展しかねませんが、そういう頭もないのでしょう。もともとヘリパッド建設は住民の大反対を押し切って強行されているもの、第二次大戦で最大の激戦地となった沖縄の住民が反対するのは当然でしょう。それを「混乱地?」「過激」と評するセンスは中学生並み(中学生にも失礼ですね)。それ以前に、本来、住民の安全を守るのが任務のはずの警察官が、米軍を守る任務についていること、その過程で、有権者や土地所有者をののしり、威嚇するのがどれほど異常なことかを知ってほしい。住民には自らの土地と命を守る権利があります。

 

「土人」「シナ人」発言、2警官を戒告処分

沖縄県の米軍北部訓練場周辺で、警備に派遣された大阪府警の機動隊員が反対派に「土人」などと発言した問題で、府警は21日、発言者の男性巡査部長(29)を戒告の懲戒処分とした。その近くで「シナ人」と言った別の男性巡査長(26)も戒告とした。2人は「不適切な発言で申し訳なかった」としている。府警は、監督責任があった男性警部(41)も所属長口頭注意とした。府警は警察の信用を失墜させたと判断。業務中に不適切な発言をした職員への懲戒処分は過去にないとしている。21日午前までに約1200件の意見が寄せられ、約7割は「許せない」などの批判という。
 でも、上が腐っているから下も腐るもの。なので、本当に処分すべきは、このような機動隊員を送り出し、侮蔑発言を容認している松井知事の方です。それに「好戦的」なことも明らかになったし、さっさと引き摺り下ろすのがベストだと思います。2016.10.22

 

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/