私は昨10月18日に東北の旅から帰りました。毎日、少しずつでも見聞をアップしようと思っていたのに、帰りが遅かったり、インターネットできない宿だったりで、果たさず・・・でも、東北がこれほどすばらしいとは思いませんでした。厳しい環境を耐えた山々や木々の美しさ、たくましさ。そこに息づく人々の暮らしに、日本はいいなあ、と思いました。だから余計、ここを原発銀座にしてしまった勢力には怒りを覚えます。
それから、放射能汚染の深刻さと、三陸の壊滅的な地震・津波被害にも、ことばにできないような衝撃を受けました。二階建てのビルの屋上に大型バスが乗っている状況を見ると、人知を超えたものを感じました。この東北旅行については、おいおい報告していきます。
ところで、この間、読者からご指摘がありました。元記事は:
>記事に使われている”sharpnel”(榴散弾)という用語は、何かしら「放射性物質を装てんした弾頭」を意味します。
これに対し、「 いえ、スペイン語のmetralla(英語でshrapnel)とはこの場合、直訳しての榴散弾ではなく、事故で飛び散った「破片」という意味です。兵器を指すものでは無いです。そもそも、放射性物質を装填した榴散弾なんていう兵器はこの世に存在しません。」
そうですか。metrallaとはメタル(金属)の小さいものという意味でしょうが、金属破片なら、多分、fragmentという語を使うでしょう。英語のshrapnelとは、中に球形の爆発物をつめて敵地に放射する武器の総称で、発明者のヘンリー・シュラプネルに由来しています。
http://inventors.about.com/od/sstartinventions/a/shrapnel.htm
shrapnelは、爆発の衝撃で破片となって敵を傷つけるのではなく、球状を保ったまま敵を殺傷する武器です(ケースは破裂しますが)。英文記事には、被害者の体から発見されたのは、金属破片ではなく「shrapnel」と明記してあるので、あるいはスペイン語の記事がそこをごっちゃにしたのかもしれません。Wikにも、爆発物の「破片」と「shrapnel」を混同するな、と書いてありますよ。http://en.wikipedia.org/wiki/Fragmentation_(weaponry)
もひとつ、「放射性物質を争点した榴散弾なんて兵器は存在しない」について。事実は、湾岸戦争で多くの米兵を傷つけた悪名高き劣化ウラン弾(DU)が、他ならぬshrapnelです。「彼ら(被曝した米兵)のほとんどは体内にDUを受けて、取り出せない」とは、IAEAのセリフ。
http://www.iaea.org/newscenter/features/du/faq_depleted_uranium.shtml
IAEAはさらに、DU弾に被曝した帰還兵には、「その後、先天障害児の誕生は報告されていない」とまで述べていますが、これは当然うそっぱち。事実はこれらの↓写真が物語っています。
http://www.mindfully.org/Nucs/2003/DU-Baby2003.htm
私の興味は、マルクールでどんなタイプの核兵器が処理されていたか、にあります。この事故についてもひき続き、追っていければと思っています。2011.10.19
東北の旅から帰って
この記事を書いた人
山本節子
調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/