徳島市の虚偽説明ー続き(その3)

 徳島市がHPでアップしている徳島広域ごみ処理計画Q&Aで、私が一番驚いたのはこの↓説明です。

Q: 新たに橋を架ける必要があるのですか?

A: 最有力候補地の最寄りである県道212号線(新浜勝浦線)は、対向には待合を要する狭隘区間が多く搬入出車両の増加により交通安全面に不安が残るため、狭隘区間の拡幅工事と県道16号線(徳島上那賀線)経由の新橋架橋を比較しました。その結果、工事期間や費用の面で新橋架橋が優位であったため、搬入出ルートとして橋を架けることとしました。

 初めから県道212号線ルートは到底無理で、勝浦川をへだてた対岸(東側)を走る県道16号線を使うしかないことはわかっていました。でも、その対岸地区(高良地区など)には根強い反対運動があって、到底実現できないと見られていましたが、どこでどう転んだのか。

 実は、少し前に、匿名の方からこんな情報が入っていました。

「徳島市は地権者に、高額で田畑を買う約束をしているそうだ」

 当時はわかりませんでしたが、このニュースを合わせると、この情報は、道路予定地のルートにあたる土地を指し、また地権者の一部がすでに土地を提供する約束をしているらしいと推測できます。情報はきわめて具体的で、「一反百万でも売れない田畑が坪4万円」「コンサルがウソの見積もりをして輸送経路を変更した」とありました。一反とは300坪、990平米。全体の買収面積がどれくらいになるのかわかりませんが、このルート変更が土地買収費の高騰につながり、全体の事業費を大きく押し上げることは間違いありません。

 そして、この問題が説明会で取り上げられたことを見ても、徳島市は、ルート変更の経過についても、事業費増額についても、どこにも何の説明もしていないと考えられます…徳島市は虚偽説明せざるを得ないのですね。

 「無説明責任」は徳島県の専売特許か

 「徳島広域ごみ処理計画」は、本来、徳島市、小松島市、勝浦町、石井町、松茂町及び北島町の6市町の計画ですが、事業はすべて徳島市に委託するという協定が結ばれているため、他の市町村はすでに発言権を失っています。これは、この地域のごみ処理政策は徳島市の一存で何でもでき、関係市町村に報告する必要さえないことを意味しています。当然、他の自治体の市民は、この計画に自分たちの意見を反映することもできません・・・このこと自体が、地自法違反、廃棄物処理法などに違反していますが、住民はその意味さえわかっていないでしょう。

 昨年12月、徳島市でこの問題を追及した時、対応した公務員は真っ赤な顔をして、ヒステリックな声で吠えるだけでした。・・・彼の態度は、現地の市民がこの問題にいかに無関心かを反映しているのですね。そして、問題は「ごみ」だけではないはず。産業界にとって公共事業は「打ち出の小づち」、市民を食い物にした行政計画は他にも山ほどあるのではないかと想像できます。2019.5.7

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/