喫煙コーナーじゃだめなのよ

 「タバコ」問題を知ると、ほんとに問題の深刻さに気づきます。まずはこれ↓①
 群馬・JR在来線ホームの上ではプカプカ 関東で本県のみ野放し状態
 (10月21日) 


 県内のJR東日本の在来線ホームで喫煙の全面禁止エリアが1カ所もないことが20日、分かった。ホーム上では、「喫煙コーナー」などと記された看板の下に灰皿が設けられ吸い放題で、JR側は「分煙」と主張している。だが、たばこの煙を外に出さない喫煙室はなく“青空喫煙”のため、ホーム上で紫煙が漂い利用客に迷惑が及んでいる。本県を除く関東1都5県ではすでにJR在来線の全面禁煙ホームが多数存在しており、本県だけが“区別”される状態が続いている。

 「在来線の分煙方法については明確な規定がない」、「列車本数が少ないため、待ち時間に喫煙したい利用者が多いと判断した」などのいいわけが書いてありますが・・・ありえん! 
 日本はFTCT(タバコ規制枠組み条約)を承認しているし、とっくに関連法令も整備済みのはずで、JRの法律違反は明らか・・・これが私の理解でした。でも、記事にはそんなこと何も書いてないので、調べてみると、なんと、まだ法律ができていない! それどころかいろんな団体が「法整備をお願い」なんて求めている段階でした。
 ほんと、ありえない。このFTCTとは、有害なタバコを削減するには世界中の協力が必要、ということから、WHOのリードで1999年には条文検討が始まっています。その後、2001年には条文が可決されて署名が始まり、2004年までに締約国が40カ国に達し、2005年2月27日に正式発効しています。これまで署名した国は168カ国で、禁煙は世界的な流れ。②
 日本だって2004年には衆参両議院がこれを「承認」(=批准)し、2005年には訳文を「官報」に掲載しました。これで、FTCTが求める2010年2月までの国内法の整備を行う義務が発生したのです。その時期がとっくに過ぎちゃっている。柳澤、枡添、長妻など歴代の厚労大臣は、健忘症なのか、タバコ協会と関連業界の圧力を受けてきたのか・・・。
 あるいは、2002年に制定した「健康増進法」をこれに代えるつもりかも。同法25条の「受動喫煙の防止」では、「多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない」としていますが、努力目標にすぎないし、罰則規定もない、役立たず。禁煙派のみなさん、海外にならって、きちんとした市民の法令(案)を政府につきつけるぐらいでないと、ダメですよ。2010.10.23
(参考)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101021-00000071-san-l10
②http://ja.wikipedia.org/
③アンチ・スモーク派のサイトは山のようにあります。以下は面白いと思ったサイト。
たばこの添加物という罠(お医者さんのブログ)
http://www.nagaoclinic.or.jp/doctorblog/nagao/2010/09/post-944.html
たばこ会社にだまされるな(禁煙に成功した方のブログ。「被害映像集」はすごい!)http://www.kyposky.net/content18.html

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/