新学期を迎えるこの時期、山本にもワクチン関係の相談が寄せられます。簡単に答えられるものから、かなり時間が必要なケースまでいろいろ。遅れても回答するようにしていますが、後回しにしたまま忘れてしまうこともあるので、時間がかかりすぎと思ったら、再度、ご連絡下さい。
以下は、奥さんがワクチン懐疑派、ご主人が受け入れ派(というより、疑問を持たない派)の家族からの質問です。
「山本さん、こんにちわ。相談させてください。先だって、インフルエンザワクチンに関する厚労省のホームぺージの文章をめぐって、夫と口論になりました。
その文章とはつぎのようなものです。
「インフルエンザの発病を予防することや、発病後の重症化や死亡を予防することに関しては、一定の効果があるとされています」
これを読んだ夫は、「ワクチンを打てば重症化しない」と思い込み、それを証明する資料がみたいと言い出す始末。私はそうではないと思うのですが、いったいどう説明すればいいのかわからず、頭を悩ませています」
--官僚が、善良な市民をだまくらかすために、知恵をしぼった文章ですからね。ナイーブな市民は、何かおかしいと思っても、どこが問題かはっきりわからないことが多いでしょう。
でも、この文章にはすぐ目につく矛盾とウソが含まれていますよ。
●「ワクチンで発病予防」のウソ → 病気予防のはずが「発病後の重症化や死亡の予防」と書いているのは自己矛盾。「予防接種」などという宣伝そのものが詐欺的。
●文章が「伝聞」体であること→「~とされています」とは、「誰かがそう言ってたぞ、でもオレたち(官僚)が言っているわけではないぞ」という意味。責任逃れのための常套句です。
●「一定の効果」って何? → 「伝聞」だから、当然、それを証明する資料など存在しないし、出すはずもありません。
●「死亡予防に一定の効果」→ 意味不明。薬剤の「有効性」を証明するのはそれほどたやすいことではなく、「一定の効果」という言葉に収れんできるものでもありません。
ま~、日本語の読解力の問題です。これくらいのことが指摘できないのは、官僚に対するいわれのない信頼感(お上意識)があるからでしょう。そろそろ、「お上は平気でウソをつく」という事実に気づかないと、今後もだまされますよ。
もひとつ、別の質問がありました。
「子どもが幼稚園に入園しますが、その時、予防接種を接種させたかどうか回答する用紙があるのですが、それにどう書いたらいいでしょうか」
--「未接種」とだけ書いて、堂々と出せばいいでしょう。法律違反しているわけではないし。
保健所あたりの指導かと思いますが、幼稚園がこうして個人のプライバシーに関わる情報を集めることは問題です(私なら提出を拒否します)。なぜなら、この情報を元に、誰がどのワクチンを未接種かが把握できるし、医薬産業界は未接種のワクチンを次々に勧めるという事態が想像できるからです。でも、幼稚園や学校が医薬産業界の手先になっていいはずはないでしょう? ましてや関係者はワクチンのことなど何も勉強していないんだから。
2019.3.16