フクイチ4号炉、国連の介入で危機回避を

  4月30日、国内の70の反原発団体が京都に集まり、危機的な状況にあるフクイチ4号機への即時対応を求めて野田総理に書簡を送ったこと、さらに国連事務総長バン・ギ・ムン宛て書簡のための署名集めを開始することを決めました。このニュースはメディアに黙殺され、私もアメリカのニュース記事で初めて知ったもの。下は30日に出されたプレスリリースの全文(一部編集)です。国連あて要望書はこちら⇒http://shuttomari.blogspot.jp/2012/04/blog-post_27.html
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市民組織連合が4号機の使用済み燃料を安定させる国連の介入を求める緊急要望書を送る
Press Release: Coalition Sends Urgent Request for UN Intervention to Stabilize the Fukushima Unit 4 Spent Nuclear Fuel
Fukushima Updateの2012年5月2日即日発表(プレスリリース)の記事です。
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京都:4月30日


福島第一原発4号機の使用済み燃料を安定化させるため、ただちに緊急アクションを起こすよう、Shut泊(北海道札幌市:代表 泉かおり氏)が音頭をとって、72のNGO組織と環境NGO・グリーンアクション(代表 アイリーン・美緒子・スミス氏)が、国連と日本政府に緊急の要望書を送りました。その書簡は、日本、及び海外のエキスパートたちによって承認されています。
 書簡では、4号機の使用済み燃料プールには、チェルノブイリ原発事故の時に放出された総量の10倍ものセシウム137があることが警告されています。もし地震や、他の出来事が起こることによって、プールから水が排出してしまった場合、破滅的な放射能火災を起こすことになります。
 
 この書簡は、福島第一原発の使用済み燃料プールが抱えている重大な問題を取り上げてくれるよう、核安全サミットの組織化を国連に強く促すものです。国連が、福島第一原発4号機について独立した評価チームを確立し、使用済み燃料を完全に安定化させ、破滅的な事態に至ることのないように、国際的な支援を取り付けるべきであると書かれています。
 この書簡は、国連事務局長・バン・ギムン(潘基文)氏、および野田佳彦首相の両方のもとへ送られました。日本は国連の支援をただちに求めるべきであると要求しています。


 福島第一原発にある10,893本の燃料集合体のほぼ全部が、次の地震に対して不安定な状態でプールの中に収められています。それは、チェルノブイリ事故のときに放出された放射能より長寿命の放射能で、その量はおよそチェルノブイリの85倍にもなるのです。Shut泊の代表、泉かおり氏は、「福島第一の問題は、もはや日本だけの問題ではなく、国際的な問題になっている」と述べています。「また、日本政府と国際社会は、手遅れになる前に、このクライシスに向けて協働することは、ぜひとも果たさなければならないことだ」とも述べています。
 アーニー・ガンダーセン氏、ロバート・アルバレス氏、小出裕章氏、後藤政志氏、元駐スイス大使の村田光平氏、そして、元国連の外交官、松村昭雄氏らアメリカと日本の核の専門家たちは、4号機の使用済み燃料プールが高いリスクにさらされていると、継続して警告してきましたし、今もそうです。
Shut泊とグリーンアクションは、海外の市民組織からも(署名による)承認を求めています。
この日本の72の組織に加えて、より多くの日本の市民組織が、署名してくれるものと思われます。
(署名の締め切りは5月20日)
 
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 今の国連は、もっぱら国連軍=アメリカ権益擁護軍=を各「紛争地域」に送り出す軍事機関と化しており、この声が届くかどうかは未知数。でも、政府機関にも正気な人がいるように、国連にもまともな人もいると考えたい。ところで、国連宛て要望書の中に、こういう一文があります。

 「米上院議員として初めて、4月6日に福島第一原発の視察に訪れたろロイ・ワイデン氏は、同原発の状況が、予想を遥かに越える危機的なものである年、それを回避するために日本が国際的な支援を要請すべきだとする書簡を、藤崎一郎・駐米大使に4月16日付けで送付し、同日付けで、同様の書簡がスティーブン・チュー・米エネルギー庁長官やヒラリー・クリントン国務長官、米原子力規制委員会のグレゴリー・ヤツコ委員長にも送られています。」
 フクイチで音もなく進んでいるこの事態を考えると、原発再開やがれき広域処理などは、まったく目くらましの役目を果たしていることがわかります。つくづく今の政府は犯罪的。2012.5.7

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/