フクイチで停電、備えを

 昨夜遅く、突然、入ってきた「フクイチで停電!」のニュース、状況も見通しも不明のようで、「時限爆弾」4号炉が心配です。 

(原子力規制庁広報窓口からのメール、21:48)
【お知らせ】東京電力福島第一原子力発電所電源系の異常による設備の停止(第1報)
報道関係者 各位
 標記の件について、本日18:57頃、東京電力より、福島第一原子力発電所の免震重要棟が一時的に停電した旨、連絡がありました。
現場を確認したところ、1,2,3号機の原子炉への注水については問題は生じていないものの、電源系に異常が発生し、これに伴い以下の設備が停止していることが確認されました。
・使用済み燃料プール代替冷却システム(1,3,4号機)
・3号機の格納容器ガス管理システムの一部
・セシウム吸着装置(キュリオン)
 モニタリングポストに有意な変化はありません。(本日19:07頃から順次受信)
現在、これら以外の設備の状況確認を行うとともに原因調査中です。
本件について、現地の保安検査官が現場確認を行っています。以上

 第一報は原子力規制庁から。東電からの発表はその20分後。この時点で、事故発生からすでに3時間たっていますが、東電のお知らせの見出しは「不具合」などとふざけている。

(東京電力からのメール、22:11)
【東京電力からのご連絡】福島第一原子力発電所における電源設備の不具合について─────東京電力からのご連絡

報道関係各位
 
本メールは、事前に「深夜・早朝における連絡先」の登録のお申し込みをいただいた方にお知らせしています。

本日(3月18日)午後6時57分頃、福島第一原子力発電所免震重要棟において、電源が瞬時停止する事象が発生いたしました。
状況を確認したところ、福島第一原子力発電所内の一部の電源設備が停止しており、以下の設備が停止しております。(午後9時38分現在の確認状況)
・水処理装置 セシウム吸着装置(キュリオン)
・1号機 使用済燃料プール代替冷却設備※(二次系)
・3号機 使用済燃料プール代替冷却設備(一・二次系)
・4号機 使用済燃料プール代替冷却設備(一・二次系)

1号機使用済燃料プール代替冷却設備の一次系については、同系統のポンプ保護のため午後9時10分、手動にて停止。
なお、福島第一原子力発電所の以下の設備については異常のないことを確認しております。
・1~3号機 原子炉注水設備
・モニタリングポスト
・1~3号機 原子炉格納容器ガス管理システム監視中
・2号機 使用済燃料プール代替冷却設備
その他の設備への影響については、引き続き確認を行っています。
本メールには返信できませんのでご了承ください。以上

 これを受けてメディアが報道し始めましたが、内容は「大本営発表」にほぼ同じ。この記事↓などは、「65℃に達するまで、約四日間の余裕がある」などと能天気な・・・

福島第一原発で停電、燃料プールの冷却装置停止
読売新聞
318()2227分配信

 東京電力と原子力規制庁によると、18日午後7時頃、福島第一原子力発電所の免震重要棟などで停電が発生した。事故収束作業の指揮所となっている免震重要棟の電源はすぐに回復し、原子炉の温度監視などに問題はなかった。しかし、停電で一部の電源システムに異常が起き、1、3、4号機で使用済み核燃料の一時貯蔵プールの冷却装置が同日午後9時40分現在、停止している。3基のプールには、計2500本の使用済み燃料が収容されている。プールの温度は最も高い4号機で約25度。冷却が止まっても、現在の温度上昇は小さく、管理上限の65度に達するまでに、約4日間の余裕があるという。このほか、汚染水処理装置も止まった。原子炉の注水は継続し、周辺の放射線データにも変動はない。東電は原因を調査している。最終更新:318()230
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130318-00001247-yom-sci

 メルトダウンをおこした原発に、「停電」というあってはならぬ事態。冷却施設が停止したのは1,3,4号の使用済み燃料プール(2100本余り)だけでなく、共有プール(6300本余り)も同じなので、早期に修復できないと、プール火災から、敷地全体の大火災に発展しかねません。「一部システムに異常」とは何を意味するのか。
 この国の政府は決して本当のことを言わない、というのは、私たちは311以後、いやというほど見せつけられてきました。一貫して原発政策をおしすすめてきた自民党が政権を握ってしまった今、何が起きてもおかしくない。福島県とその周辺の人は「異常時」に備えた準備が必要だと思います。2013.3.19

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/