BCGヒ素混入の話の続き。「出荷停止」というのはウソでした。
まず、同社WEBサイトhttp://www.bcg.gr.jp/pdf/info_181108_togai_lot.pdfに、 BCGワクチン添付溶剤の情報が掲載されているので、それを見て下さい。下の文章です。
2018 年 11 月 8 日
関係各位
東京都文京区大塚一丁目 5 番 21 号
日本ビーシージー製造株式会社
代表取締役社長 林 一信
乾燥 BCG ワクチン(経皮用・1人用)添付溶剤の品質問題該当ロットに関する情報
謹啓 平素は格別のお引き立てを賜り、誠にありがたく厚く御礼申し上げます。 乾燥 BCG ワクチンの添付溶剤である生理食塩液につきましては、多くの皆様に多大なるご心配と ご迷惑をおかけし、誠に申し訳なくここに深くお詫び申し上げます。
下記の通り、今回の品質問題の該当ロットについてお知らせいたします。 謹白
記
BCG ワクチンロット番号 KH099 ~ KH278
(弊社からの出荷時期) (2009 年 4 月) (2018 年 11 月)
以上
本件に関するお問い合わせは 下記までお願いいたします。
日本ビーシージー製造株式会社 カスタマーセンター
TEL:03-5395-5593
まず、この文章のどこにも「ヒ素」という言葉が出ていません。おそらく、将来にわたって「ヒ素汚染」という悪評を引きずらないために、「品質問題」と表現しているのでしょう。これ一つとってもワクチンの闇を感じてしまいます。
次に、「8月に出荷停止」と報道されていましたが、実際は2018年11月もずっとBCGは出荷されていました。だって、明らかに(弊社からの出荷時期ー2018年11月)と書いてあるしね。
また、2009年のロットが残っているのは不自然。KH099からKH278まで全部のロットを調べたとも思えません。
で、同社に電話で聞いてみました。
Q:この資料を読むと、すべてのロットを検査したように思えるけど、どうなの?
ヒ素が混入していた疑いのあるロットは、製造方法が変わった2009年以来、全部で164ロット(上記の続きナンバーにはいくつか欠番がある)。そのすべてをチェックしたわけではなく、KH250から30ロット分(29ロット分?)を調べた。古いロットはもう残っていません。有効期限から数年の間は保管するが、その後は廃棄するので。残っていないロットを書き込んだ理由は…う~~。
Q:ヒ素混入がわかった時点で、なぜ回収などの措置を取らなかったの?
実は8月に、責任者である薬事担当が厚労省に相談に行きましたが、有効性・安全性は確保されているということで、回収命令は出されなかった。有効性などについては厚労省が審議したと聞いています。
Q:んな馬鹿な。発がん物質が入りワクチンが安全なんて。それに厚労省は審査能力などないし、すべて専門家委員会に諮問するのよ。でもこの件で委員会が開かれたのは11月5日。厚労省はなぜ事前に結論を出したの?厚労省がやらなくても、メーカーとして自主回収しなかったのはなぜ?
……
Q:出荷停止と言いながら、実際は11月にも出荷されているじゃないの。
厚労省の資料にも「出荷停止」とありますが、実は、出荷停止ではなく、弊社の(市場に出すための)出荷判定を止めていただけです。そして、8月時点で、配送センターにあった製品はそのまま流通していました。(「出荷停止」はやはりウソだった)
Q:KH278は11月に出荷されているのはなぜ? また、医療関係者から「BCGの欠品ということは聞いたことがない」と聞いているけど、BCG不足など起きなかったのでは?
…はい、KH278 についてはたしかに問題の製品に該当していますが・・・。足りないことはございません。
厚労省とメディアによる「BCG出荷停止」報道は事実に反することを、当のメーカーが認めたのです。BCG社は明日からアンプルを新しいものに変えて出荷するとのことですが(2018.11.7 New!乾燥BCGワクチン新生理食塩液 対応製品の出荷について )、これでヒ素がゼロになるわけではなく、「(生理食塩水の)基準値以内」に収まるに過ぎません。そして、この間もBCGワクチンは絶えることとなく市場に出回り続けていたことを考えると、厚労省は幼児を害するのが目的かと言いたくなる。2018.11.15