タミフルについてもう一度

インフルエンザの治療薬、特に「世界の70~80%を日本が使っている」といわれるタミフルについて、もう一度書いておきます。タミフルによる異常行動の事例が多く報告されたことから、現在は10代への処方は原則禁止されていますが、医療の現場では相変わらず処方されているらしい。なぜなら、厚労省は、いまだにこの薬剤と異常行動の関係を認めていないし、医薬業界は止めるつもりなどないからです。

 同省の「インフルエンザQ&A」を読んでみましょう(編集して読みやすくしました。原文はここ→http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html

Q.14: 抗インフルエンザウイルス薬の服用後に、転落死を含む異常行動が報告されていると聞きましたが、薬が原因でしょうか?

A.14: 抗インフルエンザウイルス薬の服用後に異常行動が報告されています。

<異常行動の例>
・ 突然立ち上がって部屋から出ようとする
・ 興奮状態となり、手を広げて部屋を駆け回り、意味のわからないことを言う
・ 興奮して窓を開けてベランダに出ようとする
・ 自宅から出て外を歩いていて話しかけても反応しない
・ 人に襲われる感覚を覚え、外に飛び出す
・ 変なことを言い出し、泣きながら部屋の中を動き回る
・ 突然笑い出し、階段を駆け上がろうとする

 また、これらの異常行動の結果、極めてまれですが、転落等による死亡事例も報告されています。※2009年4月から8件(2017年8月末現在)

 抗インフルエンザウイルス薬の服用が異常行動の原因となっているかは不明ですが、これまでの調査結果などからは、
 ・ インフルエンザにかかった時には、医薬品を服用していない場合でも同様の異常行動が現れること、
 ・ 抗インフルエンザウイルス薬の種類に関係なく、異常行動が現れること、

が報告されています。以上のことから、インフルエンザにかかった際は、抗インフルエンザウイルス薬の種類や服用の有無にかかわらず、異常行動に対して注意が必要です。

 

 「原因不明」だけど、「薬を飲まなくても異常行動は起きる」「薬の種類に関係なく異常行動が現れる」と、無理筋の説明ですが、実際は「クスリで起きる」ことをはっきり認めている。でも、提訴されれば敗訴し、責任問題に発展する可能性が高いから、正式には認めないのです。「責任を取ることを徹底して避けるのが日本の行政・企業の特徴です。それはフクイチ事故後のTEPCOや行政庁の行動によく現れています。医薬行政でも、市民が立ち上がらない限り、いつまでも今の無責任体制が続くでしょう。

 というわけで、下がその対策ですが;

Q.15: 異常行動による転落等の事故を予防するため、どんな注意が必要でしょうか?

A.15:インフルエンザにかかった際は、抗インフルエンザウイルス薬の種類や服用の有無にかかわらず、異常行動が報告されています。小児・未成年者がインフルエンザにかかり、自宅で療養する場合は、抗インフルエンザウイルス薬の種類や服用の有無によらず、インフルエンザと診断され治療が開始された後、少なくとも2日間は、保護者等は小児・未成年者を一人にしないことを原則として下さい。また、これに加え、異常行動が発生した場合でも、小児・未成年者が容易に住居外に飛び出ないための対策として、例えば、以下のような対策が考えられます。

(1)高層階の住居の場合
  玄関や全ての部屋の窓の施錠を確実に行う(内鍵、補助錠があればそれも活用する。
・ ベランダに面していない部屋で寝かせる
・ 窓に格子のある部屋で寝かせる(窓に格子がある部屋がある場合)

(2)一戸建ての場合 (1)に加え、できる限り1階で寝かせる

 

 つまり、タミフルで異常行動や事故が起きたとしても、それは上の注意を守らなかった親の責任だ、と言いたいわけ。完全な事故防止策はタミフルの投与を止めることですが、投与中止によって異常行動・死亡事故が激減したら、「やっぱりクスリのせいだった」となり、製薬メーカーのロシュが困る。なので、製薬メーカーを守るためにも、あえてこの危険なクスリの処方を野放しにしておかなければならないわけ。

 そして、その結果、こういう↓事態に。

2歳男児:タミフル服用後、眠っていると思って家族が家事をしている間に呼吸が止まっていた
3歳男児:タミフル服用後、眠っていると思って家族が隣の部屋にいた10分くらいの間に呼吸が止まっていた
38歳男性:タミフルを飲んで就寝。翌朝家族が起こしに行くと、呼吸が止まっていた
40代男性:タミフルを飲んで就寝。翌日家族が起こしに行くと、呼吸が止まっていた
20代女性:タミフル服用後、急激な体温低下、顔面蒼白。受診中に死亡
生後10か月女児:タミフル服用後、容態急激に悪化。重度の後遺症
14か月女児:タミフル服用後、容態急激に悪化。重度の後遺症
14歳男子:平熱に近くなって念のためタミフル服用。マンションから転落死
17歳男子:タミフル服用後就寝。家族が外出中にトラックにはねられて事故死

どの場合にも共通するのは「突然」であることです。被害に遭うのがたとえ1万人、10万人に1人だとしても、その害は、「突然」きます。予兆はありません。 インフルエンザはタミフルなしで治る病気です。タミフルのほうがよほど怖いのです。
問題は解決されていません!くれぐれも冷静な対応を!

被害者の会のサイト(http://www.tamiflu89.sakura.ne.jp/)から

 

うち14才男子と17歳男子の事件は広く報道され、よく知られていますが、20~40の働きざかりも犠牲になっていたとは。病気を「治す」はずの薬を飲んだために、家族が突然命を奪われたとしたら、残された人はたまりません。しかも、この報告は氷山の一角。たとえば、厚労省が把握している副作用報告は、201415108件、2015~1668あり、タミフル発売時からの副反応件数をあわせると、軽く1000件を越すことでしょう。http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001vftu-att/2r9852000001vg4u.pdf

また、現代医療を疑問視する人はまだまだ少ないから、服用後の症状が薬剤のせいであることに気づかない人も多いはず(潜在的な被害者はもっともっと多い…だって、世界一のタミフル使用国なので)。「殺人インフルエンザ」、「百万人死んでいる」などの脅しの医療にだまされず、同会のサイトをよくんで、クスリに頼ることなく今シーズンを乗り切ってください。2017.12.27

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/