なぜ今、子宮頸がんワクチン?

 ところで、鎌倉市はなぜ子宮頸がんワクチンを導入することにしたのか。それを聞こうと、23日、市役所に出向きました。その前に電話取材済み。
 担当してくれた市民健康課の職員二人は誠実そう。鎌倉市の職員は、他の地方都市に比べれば、決して資質は悪くはありません。ただし、トップに近づくと(特に開発関係の業務を担当すると)、腹黒くなり、ウソも平気で連発するようになります(ま、顔つきでわかりますけど・・・)。
 で、わかったことは:
 ●2010年5月末、市長の指示でこのワクチン導入の検討を早めた。
  (口頭でなされたいくつかの「指示」の一つ、これを受けた石井部長は当日不在)。
 ●同じころ、同ワクチンの導入を希望する市長要望書が出されている。
  (公明党の要望、同党はこれを全国展開しているとのこと)。
 ●そこで、いろいろな資料を参考に、費用負担及び弊害(副作用の意味ではない)など検討を始め、その結果を市長に報告したところ、ゴーサインが出た。
  (この時点ですでに「実施」が前提。死亡例は「ワクチンとは無関係ときいた」、「リスクより効果をとった」。 なお、資料は主に業界筋、一部は入手不可とのこと。)
 ●その後、内部調整を経、4300万円の補正予算を計上、6月議会で了承された。
  (全市1400人の対象者の、80%、1120人の一回分の接種費用12000円をカバーする額。なお、このワクチンは3回接種が必要とされています)。
 5月末の市長指示から補正予算の計上・通過までわずか一ヶ月。これってすごく早くない? 実は、厚労省は、このワクチン(GSKのサーバリックス)の承認前の09年6月、「女性特有のがん検診推進事業」として、乳がん、子宮頸がんの無料クーポン配布する事業を始めていました。乳がんや子宮がんの低い検診率を引き上げろとハッパをかけたのです(鎌倉市の受診率も50%以下。なお、鎌倉市への通知は「県からではなく、直接でした」。)http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan11/index.html
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan10/pdf/gan_women09.pdf


   いろいろ不可解。この問題、ちょっとずつ追うことにします。2010.7.25

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/