魚網受入は違法事業!

   ちょっと不在にしていたら、急転直下、こういうことが起きていました。住民が「不明白」では、何やったって止まらないのは、富山県も同じだったか…

震災漁網受け入れ 黒岩知事「見通しが立った」神奈川

2013.6.10 19:22
 東日本大震災で生じた災害廃棄物(がれき)の広域処理をめぐり、神奈川県の黒岩祐治知事は10日の県議会本会議で、国から要請された岩手県洋野町の漁網300トンについて、「受け入れる見通しが立ったと判断した」と述べ、県が計画していた横須賀市芦名の県営最終処分場への受け入れは行わないと明言した。それぞれ最大100トンと同200トンを検討していた箱根町と南足柄市から、漁網の埋め立てに必要な補正予算案をそれぞれの市町議会に近く提案すると連絡があった。黒岩知事が平成23年12月の本会議で、県営最終処分場への受け入れを表明してから1年半。がれきを当初の焼却灰から漁網に変更し、漁網の量も広域処理の進展で2千トンから300トンに減ったものの、膠着状態が続いていたがれき問題はようやく収束する。黒岩知事は議会後、「何とかめどがたってほっとしている。(両市町に)心から感謝したい。芦名のみなさんにも精神的な負担をおかけした」などと話した。県はこの日の本会議で、漁網の埋め立てを洋野町から1610万円で受託し、2市町へ委託する費用や洋野町での放射能濃度測定費用などとして支出する補正予算案を提案した。箱根町は7日の町議会全員協議会で県から委託を受ける費用を盛り込んだ補正予算案を説明。町によると、議員から受け入れに反対する意見は出ず、14日の本会議に提案する。南足柄市は市処分場の地元自治会が受け入れを了承している。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130610/kng13061019230003-n1.htm

 神奈川県は岩手県とも洋野町ともがれきの協定はまだ結んでいなかったはず。それとも、ここ数日の間に締結したのか? ほんと、 なんだってこんな汚染事業にばかり必死になるんだか。でも、これを見ると、がれき処理が実際は県の事業だってことがよくわかる。でも県がカバーするのは費用の手当てだけで、事故や汚染が起きれば、責任は市町村が取ることになっています。怖いのは、何一つわかっていない市町村職員や、ましてや自治会役員が将来を決めるシステムになっているってこと。原発だって、そうやって誘致されたんじゃないの?

漁網がれき受け入れを自治会が了承 黒岩知事「ゴール見守る」神奈川
 
2013.6.5 19:26
 東日本大震災で発生した災害廃棄物(がれき)の広域処理をめぐり、神奈川県南足柄市の一般最終処分場の地元自治会(同市雨坪)が岩手県洋野町の漁網の受け入れを了承し、黒岩祐治知事は5日の定例会見で「被災地のがれきを一切、受け入れない歴史を残したくないという思いでやってきた。本当にありがたい。最終的なゴールに至ったわけではないので、情勢を見守りたい」と述べた。雨坪自治会(約340世帯)は1日に開いた役員会で、魚網を受け入れる方向性を決定。矢野佳宏自治会長は「今後は受け入れの事務の流れに沿って、市で責任を持って進めていただきたい」とのコメントを出した。県に対して国が受け入れを要請しているのは漁網300トン。同市のほか箱根町が最大100トンの搬入を検討している。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130605/kng13060519270009-n1.htm

 念のためはっきりさせておきますけど:
 ★魚網はもともとは特別管理産業廃棄物、それも「処理困難物」であり、許可を得た産業廃棄物事業者が処理を行う。市町村は処理できない
 ★比重が小さい(軽い)ため、埋めると不安定になり、基本的に埋め立てられない。ましてや一般廃棄物処分場に埋め立てるのは違法。
 ★鉛がついている場合(完全にはずすことはできない)、地下水汚染→河流汚染→海水汚染へと汚染が広がる(他の毒物も同じ)。従って、下流域の漁協などの合意が必要。
 ★現地に二年間雨ざらしにされていたため(黒岩が何としてでも魚網をほしがった)、ウジやハエが発生し、何回も農薬が散布されている。
 
 ★市町村は、魚網などを扱った経験はゼロ。何が起きるか予測もできない。
 ★廃棄物処理法には「災害廃棄物」の区分はなく、東北の震災がれきをすべてを一般廃棄物とみなすのは「運用」に過ぎない。明らかな特別管理産廃を遠く離れた市町村に処理させるのは国県による違法事業。

 ね? 多少なりとも法律を知っていれば、考えられないアホな違法事業だということがわかるでしょう。職員がまともなら「止しましょうよ」となったはずですが、今の県職員はみなしょうもないイエスマンばっかりなのか。とにかく、タレント知事やタレント市長は立候補禁止法でも作らないと、日本はもっとおかしくなるでしょうね。
 ★6月17日、この件で神奈川県と話し合います。誰でも参加可能。場所・時間についてはコメント欄か山本に直接ご連絡下さい。2013.6.11

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/