長野のごみ処理施設火災、消火できず

 この施設は外部から視察したことがあります。火災事故、やっぱりねという感じ。

長野のごみ処理施設 火災35時間 なお鎮火せず

201945 https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20190405/KT190405FSI090007000.php

  長野市松岡のごみ処理施設「市資源再生センター」で4日未明に発生した火災は、発生から約35時間が経過した5日午後1時半現在も鎮火していない。市消防局は、4日夜から5日朝にかけて夜通しで消火活動を続けたが、大量の不燃ごみの内部が燃えており、放水が届きにくい状態が続いている。今のところ、けが人は確認されていない。

 同局によると、5日午前は消防車両8台が出動して、放水を続けた。しかし、同日昼になっても、火災が起きた同センターの資源化施設棟内から灰色の煙が立ち上っていた。同局は「煙の勢いは昨日と変わらない」としている。現場周辺では、煙の吸い込みによる健康被害が出ないよう、市の広報車が近隣住民に窓を閉めるなどの注意を呼び掛けている。同局によると、煙の影響で体調を崩した人は確認されていない。一方、火災を受けて不燃ごみと瓶類の回収を中止している長野市は同日、影響が長期化する可能性を踏まえ、回収を再開した際に不燃ごみや瓶類を一時的に保管する仮置き場設置の検討を始めた。市生活環境課によると、同日午前までに、住民から「何が回収されないのか」といった問い合わせが多数寄せられた。市はセンターでの不燃ごみと資源物の受け入れも取りやめており、市ホームページで周知している。(4月5日)   

 「燃えない」はずのごみをためておく「資源化施設」から出火し、不燃ごみが消火できないほど盛大に燃えているというニュースです。でも、ごみの保管施設は、往々にして火災を起こし、しかもなかなか消火できないのは常識です。

 なぜ? それは、ごみそのものの「反応」が予測できないから、そして何が燃えているかわからず、消火の手立てがないから。

 この施設は犀川のほとり、すばらしい景観の中に建てられていますが、山本は近くの駐車場に車を停めて外に出たとたん、頭痛に襲われました。風がない日で、おそらく何らかの化学物質が周辺に充満していたのでしょう。これほどすぐに化学物質過敏症的な状況に会ったのは、ここと北海道のさる施設だけ。施設の取材どころではなく早々に引き上げました。

 山に囲まれ、平地が少ない長野県は、ごみ処理を「焼却」に頼ると、盆地の中に目には見えない化学物質が滞留し、それが住民の健康を蝕むのは避けられません。幸い、長野県は県民の意識が非常に高く、「燃やさないごみ処理」に取り組む下地があると思うのですが、勉強部族なのは公務員と企業。なんとかならないかと思います。。

 とにかく早く鎮火しますように。そして、これを機会に「燃やすごみ処理」におさらばできるように。2019.4.5

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/