鎌倉新ごみ、反対意見ばかりの説明会

鎌倉市の新ごみ問題、鎌倉市は5月中に周辺住民に向けた「説明会」を開催していました。下はタウンニュースの報道です(6月2日)。

候補地周辺住民が初会合 「建設反対」が大勢占める

掲載号:2015年5月22日号 http://www.townnews.co.jp/0602/2015/05/22/284579.html


 鎌倉市が新しいごみ焼却施設の建設候補地を、山崎浄化センター内の未活用地にすると発表して約1カ月。近隣自治会・町内会長らによる初の会合が5月17
日、同センター会議室で開催された。住民からは、迷惑施設が集中することへの反発や、市の選定理由に対する疑問、搬入車両の増加による交通事情の悪化など
への懸念から、建設に反対する意見が相次いだ。会合には、センター周辺の山崎、台、岡本、玉縄地区などの自治会・町内会の代表ら26人が出席。世話人代表の山崎西町内会の檜山宏会長が、候補地発表までの経過を説明した後、意見交換が行われた。
 
近隣住民からは「20年以上、汚水処理場の臭いや振動、騒音に悩まされ続けてきた。これ以上の負担を受け入れることは到底納得できない」として、迷惑施設
が山崎に集中することに反発する意見が出された。また市が「下水処理場と連携させることでごみ焼却施設から発生するエネルギーの活用が図れる」ことを選定
の主な理由としたことから「事実上、候補地は山崎しかなかったことになる」として、決定までの議論に対する疑問の声もあがった。加えて多くのごみの収集運搬車が通行することによる渋滞の悪化、周辺の幼稚園や小学校などに通う子どもたちの事故への懸念から、建設反対を訴える声も相次いだ。
 
一方で比較的若い住民が多いマンションの自治会員が「こういう問題があること自体を知らなかった」と話すなど、地域内でも意識に差があることが明らかに
なった。そのため「まずは問題点を整理し、今後について住民同士で話し合うべき」「専門家にも加わってもらい、組織的に行動した方がいいのでは」といった
意見も出された。(以下略)

 この翌日、鎌倉市は周辺17自治会・町内会を中心に説明会を開いています。参加者約100名。市に聞くと「賛成意見は・・・ありませんでした」とのこと。そりゃそうでしょうけどね。その議事録はこちら↓(要点筆記)。
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/skensetsu/documents/senteikekkasetumeikai_gijiroku_2_am.pdf

 読めばわかりますが、意見の多くは「山崎には作るな」「他の地域に作れ」というもの。でも鎌倉は狭いから、深沢に作ろうが、野村総研跡地に作ろうが、汚染は公平に全市に及ぶのです。煙突を高くすれば解決するという話でもない。それ以前に、「ごみ焼却」の実態をちゃんと知って欲しい。なので、「焼却炉はやめ、燃やさないごみ処理にトライせよ」との意見を盛り込んだ意見書をたくさん出すところから始めたらどうかと思います。幸い、今はまだ圧倒的多数が反対のようですが、行政は、時とともに地元ボスや有力者を巻き込んで「賛成勢力」を作っていくものなので、今のうちにしっかり勉強し、「止め方」を知っておくことです。2015.6.13

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/