遺伝子組み換えインフルワクチン、安全?危険?

 遺伝子組み換えという得体の知れない技術がインフルエンザワクチンにも転用されることになりそうです。この↓記事を読んで、「製造がそんなに短縮されるなら、流行に合わせた有効なワクチンが出来るだろう」と思うのは早とちり。その前に、蛾やタバコの葉で培養された異型たんぱく質を人体に直接接種するということが、どんな結果をもたらすか考えて欲しいと思います。

 

インフルワクチン新手法、1カ月に製造短縮 ガの幼虫やタバコの葉を利用

産経新聞 10/26() 11:18配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161026-00000509-san-soci

 インフルエンザワクチンの製造にガの幼虫やタバコの葉を利用する手法の開発が進んでいる。現在、ワクチン生産はウイルスを鶏卵で培養する手法が一般的で、製造に約6カ月かかっているが、新手法なら1、2カ月程度に短縮できるという。開発は海外で先行し、日本国内でも実用化を目指す。季節性インフルや世界大流行(パンデミック)に迅速にワクチンが供給できるとして期待されている。
 ガの幼虫の細胞を用いたワクチン製造に取り組んでいるのは、アステラス製薬とUMNファーマだ。手順はワクチンに使えるウイルスの遺伝子情報を「バキュロウイルス」に組み込み、遺伝子組み換えのバキュロウイルスを幼虫の細胞に感染させて増やす。米国では実用化されており、アステラス製薬は平成26年に厚生労働省に製造販売の承認申請を行っている。

  田辺三菱製薬は25年に買収したカナダのベンチャー企業の技術を基に、タバコ属の一種の葉を使ってワクチンを作る研究を進めている。細菌の一種に特殊な遺伝子を組み込み、葉に感染させて育成栽培する。タバコ属の葉は収量が多く、大量生産に向いているという。米国とカナダで臨床試験を行っており、32年度の米国での実用化と日本での販売を視野に入れる。
 現在のワクチン製造方法は鶏卵を利用。ウイルスそのものを培養した後に人体内で作用しないように「不活化」という処理をするため、大量生産するには約6カ月かかる。新手法では有効成分だけを抽出してワクチンを製造するため、不活化処理が不要。ガの幼虫の細胞培養では8週間、タバコの葉を使うと1カ月ほどで製造できるという。大阪大の藤山和仁教授は「国内では前例がないため、薬の承認には時間がかかるかもしれないが、季節性インフルエンザの流行の変化やパンデミックにも素早く対応できるはず」と話している

 

 遺伝子組み換え技術がワクチンに用いられるのは初めてではありません。「米国では実用化されている」とあるように、ガーダシルとかサーバリクス(子宮頚がんワクチン)、ロタウイルスワクチン、HepBワクチンにも用いられています。その結果が子宮頚がんワクチンの広範な副作用と死亡、訴訟、そしてHepBワクチンによる乳幼児突然死など、さまざまな問題をもたらしているのですが、それもそのはず。今に至るまで、遺伝子組み換え技術を用いたワクチンの安全性を裏付ける研究はゼロなのです。

 初のGMOインフルエンザワクチンとして、アメリカFDAが認可したのはプロテイン・サイエンス社(日本の製造メーカーの米パートナー企業)の、3価の「フルブロック(Flublok)」。約2500人の「成人」を対象にした臨床試験では、プラセボグループで一人、フルブロック接種グループで一人と、2件の死亡事例が起きていますが、ワクチンとの関係は不明とのこと。しかし、6ヶ月の観察期間のうち、すでに多くの副反応が出ており、中には胸膜心膜炎など重篤な症状もあったとか。

 このフルブロックの「添付文書」を読むと、妙なことが書いてあります。

 「対照群を用いたランダム試験から、6ヶ月から3歳までの幼児については、その他の認可インフルエンザワクチンに比べ、フルブロックに対する赤血球凝集抑制反応の減少が示された。これは、フルブロックが3歳以下の子どもには有効でないことを強く示唆している」「3歳から18歳までの子どもに関しては、安全性と有効性は確立していない」

 子どもを対象にした人体実験をどこでやったのか知りませんが、上の記事にもある日本の企業、UMNファーマがフルブロックの原液を製造しているので、ワクチンをめぐる日米企業の協力は軍事以上に緊密なようです。

 GMOが農業に何をもたらしているかを見れば、GMOワクチンが人体に対しさらにひどい害をもたらすのは確実です。だって、もともと人体に不要で危険な異型たんぱく質を接種すると、ヒトの免疫系はそれらの異物に対応しようとして異常に活性化し、そのうちに暴走を始めることは簡単に予想できるからです。子宮頸がんワクチン被害がそうでした。でも、グローバル・ワクチン・ビジネスの成功しか頭にない製薬会社は「安全」も「被害」も無視。とりあえずは、周囲の人にGMOフルショットを避けるように伝えるしかないですね。

(参考にした記事)

 

 

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/