焼却炉反対:兵庫県北但のごみ・下水汚泥焼却炉計画

 兵庫県北但の広域ごみ処理施設とその推進者たち
    民度が低い地域をねらう汚染施設


 毎年年末になると、ごみ処理施設を作りたい人々の動きが活発になります。
国の交付金を得るため、次年度の予算を通す必要があるからです。
 私は各地の焼却炉反対運動を支援していますが、兵庫県北部の北但地域
の広域ごみ・汚泥償却施設の反対運動もそのひとつ。ここでは、コウノトリで
有名な豊岡市の市長を初めとした面々が、一部住民を抱き込んで、強硬な
手に出ています。


「地元合意がとれた」はウソ
 12月2日、建設予定地の森本・坊岡区の区長と広域組合が建設受入れの
見返りを約束した「基本協定」を交わしたのです。これで「合意がとれた」、
「地権者の同意なしに調査を行う」と市長は発言しています。でも、現地で
は当初から反対地権者が、事業を前提とした土地の測量・調査・売買を拒否し
国・県・市・広域組合に「不売宣言」を送りつけていました。憲法にもとづく
人権・財産権の確保宣言であり、合意なんかするはずがありません。
 国の補助金不正受給がねらい?
 この計画、前二つの予定地が厳しい反対でつぶれた後、突然現地にふら
れました。でも公共事業に必須の、市民全体を対象にした説明会や、パブコ
メはまったく行われていません。違法。どうも、環境省も含めた官民癒着を背
景に、既成事実を作って交付金確保をねらっているようです。アセスなども
施設整備計画の対象事業となるため、公共事業の額をうんと水増しし、過大な
交付金をがめようというのが悪質な市町村の手法。そんな補助金不正受給事
件から、豊岡市が何も学んでいないのは、焼却炉計画が「国ぐるみ」だから
かもしれません。


 「女は黙っていろ」
 ところで、焼却炉反対に立ち上がり、それに成功してきたのは、私がかか
わった限り、女性が元気な地域でした。ところがこの森本・坊岡には「区」と
いうものがあって、女性を差別しています。行政も、この計画の関係住民を
同二区の住民(24戸)に限り、市全体への周知はゼロです。「区」はその
さらに上を行くひどさで、投票権を一戸一人に限り、女性が発言しようとすると
「女は黙っていろ」とさえぎったとか。このような、保守的で民度の低い地域
ほど、汚染施設のねらい目。それにしても、まだこんな地域がたくさんあるん
ですえね、日本には。女性たち、がんばって。


 違法事業の「協力金」をもらったら
 今後この地域では、本協定にもとづいて、「協力金」の名目でさらに多額
のカネが飛び交うことでしょう。でも、後で不正がバレたら、全額返済が求め
られます。しかも利子づき。今後の人生を胸を張って生きたければ、いかな
る名目でもカネを受け取らない、判こを押さないという態度を貫いてください。
カネは額に汗して、正々堂々ともらうべきものです。


 焼却炉は地域の死を招く
 豊岡市はみどりに包まれた美しい「日本の田舎」。焼却炉はこの地域に死
をもたらします。物理的にも、社会的にも。普通の感性・常識があれば、人口
の少ない自然豊かな土地に汚染施設を建てるという計画にみな反対するでしょう。
今、日本と同じ島国・アイルランドで起きている豚肉のダイオキシン騒動は、こ
の国が取り入れようとし、国民から全国規模の反対運動がおきている「焼却炉」
をあきらめさせるきっかけになるはずです。行政の職務は市民の安全を守ること、
危険にさらすことではありません。2008年12月10日

この記事を書いた人

hiromachi