新潟、三条市に行って

 2月22日、新潟県三条市における講演会の模様を、越後ジャーナルがアップしてくれていました。動画ではなく、文書ベースですが…うう、編集させて欲しかった。

www.palge.com/news/h25/2/20130222kouen.htm

 ところで、この講演前、私は市民と共に三条市を訪問しました。がれきについての話合いに同席したのです。ところが三条市の職員のタチの悪さ・・・秘書課も、広報課も市民をこばかにした態度(対応したのは両方とも女性職員)で、市長の現在の所在地を聞いても、「答える必要はございません」と、秘密主義。市長という公人のスケジュールは、時々刻々、オープンにするのが当たり前。現在どこにいるかも答えないなら、よからぬ連中と悪だくみしている、と思われても仕方ないでしょう・

 さらにひどかったのが担当課長、来意を告げると、「市民の質問には答えるが、山本さんと言う人の質問には絶対答えない」。私についてリサーチ済みのようで、実際の話し合いでも、私が発言すると「あなたが発言すると、もう話し合いを終わりにしますよっ!」と怒り出す。仕方なく沈黙を守りましたが、これじゃあ、三条市が市民説明会もなしにがれきを燃やすのも当然か、と。ここは私が知る自治体の中でワースト3に入ります。他には北九州市と富山県市がひどい。

 そもそも、がれきを燃やしたところ、燃やそうとしているところには、「民主主義」ってもんがありません。「ごみ処理」は、数ある自治事務の中でも、100%の住民が関与している(赤ちゃんにいたるまで、ごみを出す)という点で、もっとも「民主主義」が問われる分野なのです。それを、国の指示のまま、それまでのシステムと全く変わったことをやろうとしているのだから、本来、法令アセスや環境アセスが必要な事業なのです。また、がれき焼却は、それまでにない汚染を広範囲に拡散させるので、行政は誰に対して説明を果たす義務があるのです。ところががれき焼却市町村は環境省+企業の大法螺をそのまま吹いているだけで、説明責任も汚染者責任も取ろうとしない・・・

 行政の仕事は、市民の声に耳を傾け、市民意思を受け止めてそれを政策に反映させること。それができないのは、公務員がすっかり、責任感覚を失い、思考停止状態になっているのと、役所の仕事に「民間」が入り込んでいるから。それに加えて、首長の姿勢と、市民のあり方が大きく反映しています。まともな首長の下では、公務員も自然にお行儀よくなるし、うるさい市民が多ければ、行政だって「黒い事業」には手を出さないもの。三条市民の優しさとおとなしさ(新潟県民に共通しますが)が、彼らを助長させているのかも。
2013.3.25

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/