魚網下方修正1100トン→300トンへ(神奈川)

 神奈川県のがれき受入が1100→300トンに! 「それくらいなら受け入れてあげても」との声が聞こえそうだけど、環境省の背後にうごめくがれき利権軍団のことを考えると、300トンでも譲れません。 

漁網の受け入れ量300トンに下方修正、処理工程表見直しで県/神奈川
カナロコ 5月9日(木)6時30分配信   
 東日本大震災で発生したがれきの処理工程表見直しに伴い、県が受け入れを求められている漁具・漁網は1100トンから300トンへ大幅に下方修正されたことが8日までに分かった。県が処理を要請されていたのは、岩手県洋野町の千トンと同野田村の100トン。環境省が7日に発表した新たな工程表によると、山形県が洋野町の700トンと野田村の100トンすべてを受け入れることになった。県は、横須賀市芦名の県最終処分場で処理を引き受ける案を示してきたが、地元の連合町内会の反対で計画は進んでいない。4月には箱根町の山口昇士町長が、町の処分場で最大約100トンを受け入れる方針を表明。県は歓迎の意向を示す一方、引き続き横須賀での受け入れ実現を目指すとしていた。

 それどころか、神奈川県は先月(4月8日)、環境省に対し、岩手県洋野町の漁具・魚網を約300トン受け入れると「本格表明」していました(なぜか「漁具」も)。http://kouikishori.env.go.jp/results/pdf/results_jichitai_20130507.pdf?ver3
 おそらく、箱根町の魚網受け入れ公表(4月8日)を受けてのことでしょうが、これは報道されてもいないし、私たちの4月24日の対県交渉でも、県は「まだ何も決まっていない」とくり返していたから、県は完全にウソをついていたわけね。黒岩県政の欺瞞癖は今に始まったことではないけれど、彼の資質の低さと、取り巻きの無能ぶりには、ほんとにうんざり。とにかく、これは県民に対する違法な「挑戦」であり、黙っているわけにはゆきません。とりあえず14日に県交渉しますので、がれき問題だけでなく、行政組織がどういうところか知りたい方、問題を抱えている地域の方、特にがれき受入を決めてしまった箱根町の方、ぜひご参加下さい。
 ★5月14日(火曜日)午後1時半開始(分庁舎1階 102会議室)

 なお、がれき受入は、100%、都道府県の事業ですが、何か問題が起きれば、すべての責任は「手を上げた」市町村にかかってくるという仕組み。これは廃棄物処理法に準じているためです。でも、逆に、この仕組みが、県や受け入れ市町村に、地域住民の意見を尊重する義務を課しているわけ。石川県輪島市では、地元美谷町の反対で、国県市が進めていたがれき受入を土壇場でストップしています。地域住民の力はすごいのだ。
 

震災がれき 輪島の受け入れ「不要」
 2013年5月8日 読売新聞
 輪島市が受入を目指していた岩手県宮古市の震災がれき(可燃物)について、環境省は7日、被災地や他の自治体rによる広域処理にメドがついたつぃて、輪島市に対して受入は不要とする方針を伝えた。県の横江斉環境部次長が同市を訪れ、梶文秋市長に環境省の文書を伝達した。
同市は宮古市から6000トンのがれきを受け入れる方針だったが、昨年12月に試験焼却した7トンで受け入れを終えることになった。
 震災がれきの受け入れを巡っては、梶市長が「能登半島地震の恩返し」と位置づけてがれきの受け入れ検討を表明。昨年1月には東京電力福島第一原発事故の影響を調査するため、宮城県石巻市や名取市などで空間線量の計測などを行った。国との調整を経て、宮古市からのがれき受け入れに向けて準備を進めていた。一方、がれきを受け入れることによる風評被害を懸念し、処理施設が立地する地域の一部市民が反発。理解を取り付けるために説明会などを続けていた。梶市長は「(地元との協議が)まとまらなかったのは残念だが、がれきの処理にメドが立ったということなので、他に協力している自治体に感謝したい。一日も早い復興を願っている」と述べた。一方、がれきを処理する予定だった「輪島クリーンセンター」がある輪島市美谷町の立壁政義区長(64)は「やはり風評被害は心配だった。処理にメドがついてのことでもあり、ひと安心だ」などと話した。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ishikawa/news/20130507-OYT8T01170.htm

2013.5.10

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/