さてその後、昨年5月6月の散布から、
半年以上のあいだ小田原市には、市内全ての農薬散布、農薬使用を止めてください、とお願いを、し続けてきました。
小田原城スミチオン被害者の会、というのを立ち上げて、何人かの被害者の方や、支援してくださる方に助けられて、市や県や国とも交渉をしてきました。
小田原城公園だけではなく、街路樹、大小の公園の樹木や花、小学校や中学校の校庭の樹木などにも、定期散布していて、改めてびっくりしました。
(定期散布とは、虫が出なくても時期を決めて、農薬散布することです)
しかも、日本には、それを取り締まる法律がないということも驚きました。
大気中の農薬濃度の規制値もないのです。
農水省や、環境省などから出ている、住宅地における農薬使用についての
通知、というものがありますが、危険だから、住宅地で農薬散布するときは
このように気をつけましょう、というもので、罰則のある法律ではないのです。
小田原市は、これさえも守られていません。
今年、1月21日から、約5日間ぐらいかけて(天候により変更あり)小田原城の
松、170本に、樹幹注入という方法(木に穴を開けて、圧力をかけて農薬を
注入する方法)で、松くい虫を防除、と小田原市から言って来たのです。
3年間有効と、メーカーの説明にある、酒石酸モランテルという薬液剤という事しか、わかっていませんでしたが、実施されてから、
どれほどの周辺の、空気の汚染になるのか、人の身体へはどんな影響が出るか
誰にもわからないのです。
これほどの住宅密集地に、これだけの数の多い松、そこに樹幹注入、
全く初めてのことで、まさにこれは実験なのです。
使われる薬剤の量は、かなり大きなペットボトルくらいのものを、
一本の松に、5本~ぐらい根元に突き刺して使います。
それが170本の松に実施されるのです・・・・・・・・・
私が住んでいた、みなみ町という場所は国道一号線(旧東海道)に面した、
小田原でも歴史の街で、古いおうちが多く、住んでいる方も年配のかたの
多い場所です。
海が近くて、箱根方面の山が望めて、本当に環境のいい町なのです。
そのうえ、三の丸小学校や、お堀端幼稚園、高校、病院などの公共施設が多く、こんな場所で、しかも、被害を感じている人が出ているのに、それでもやる、信じられない気持ちでした。
まずい!となった時に
だれもが逃げ出せるわけではありません。
しかも空気はどこまでもつながっていますし、揮発した成分は大気中の化学物質(例えば車の排気ガス)などと反応して、新たな毒性の物を生み出す事もわかっています。
しかし、小田原市は、お堀端幼稚園のお母さんたちに説明会を開き、
そこでの了解を得た、として変更しようとはしませんでした。
被害者の会には、もちろん説明会はありません。
誰もが納得するはずもありませんから。
そして、1月に実施されました。
私は、すぐに避難しましたが、様子を見るために、実施から一週間ほどたって、
小田原の自宅に、帰ったときのことを覚えてます。
締め切ったままの部屋で、必要な物を持ち出そう、
メールだけでも、チェックしよう、と動き回っていたら、頭が詰まったようになり
働かなくなって、とにかく横になりたい・・・・と思いました。
体がどんどんだるくなり、できるだけ早く出ようと思っていたのに、
このまま寝たい、と思うのです。ベッドに横になったまま動けません、
明日の朝、友人の家に戻れば・・・・・・とにかく寝てしまいたい・・・・・・。
じぶんでもおかしいと思いました。振り切るようにしてタクシーを呼び、
身体をひきずるようにして、小田原駅までいきました。
すでに体が農薬にやられている、どういっていいかわからないダルさと、
頭のおかしさ、電車に乗ってから、ひどい吐き気がしました。
何とか我慢して、藤沢に着き、そこで休んでから、友人の家まで、途中道が
わからなくなって、迷いました。
すっかり慣れている道に迷って、おかしい・・・と思いながらたどり着き、
倒れこむような感じでした。
山のふもとの、空気のいいおうちですが、
3日間ほど、体が元に戻りませんでした。
小田原では、現在も、その注入された薬剤による汚染は続いています。
小田原の皆さん、どうかご自身と、周囲の方の体調に、注意を向けてください。
まず、免疫力の低下がおきますので、風邪によく似た症状が始まります。
農薬と結びつけて、考えにくいかもしれませんが、それでも、考えてください。
そして、こんな事はいやだ、もうやめて欲しいと、声を上げてください。
深刻な農薬汚染による、難病の町になる事を、みんなで止めて行きましょう。
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小田原城問題-冬
この記事を書いた人
山本節子
調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/