寝屋川廃プラ処理施設のすさまじい被害

  友人から「寝屋川の廃プラ工場訴訟」の連絡がありました。7月23日、控訴審の結審を迎えるとのこと。この話、私は名前しか知らなかったので、ちょっとリサーチしてみました。・・・幸い、とてもしっかりした市民運動のホームページがあり、いろいろ知ることができます。
 
 でも、読み続けるうちに、胸が痛くなってきました。すさまじい化学物質反応症が出ているようです。
 http://haipura.com/news/data/n54.pdf
 http://haipura.com/news/data/n57.pdf
 まだ若く、人生これから、っていう人たちが、ひどい反応を抱えて苦しんでいる。湿疹やただれ、かゆみなどが多いようですが、ほとんどの被害者は、そこから離れると症状が軽快するとのこと。これだけで、発生源と被害を証明しているようなものです。ところが、住民の操業停止の訴えに対し、地裁は有害物質が出ていることは認めながら、「病状と原因物質との因果関係は不明」として、訴えを棄却したのですね。こんな非常識・市民蔑視の裁判官は、追放すべき!
 同地には、民間と公共(広域)の二つの廃プラ施設がありますが、公共施設には、「杉並病」と違って、「圧縮工程」はありません。単なる廃プラの「梱包」のみでこれほど多くの人に被害が出るというのは、どういう意味? 摩擦熱による、同定不可能なさまざまな物質が産生しているのでしょうが、今さらながら、石油化学製品の「害」が感じられます。
 しかもこの施設、6月には火災を起こしています。妙なのは、その鎮火に5時間もかかっていること。火勢が強かったというより、プラの潜熱が意外に高く、すぐには消せなかったんじゃないでしょうか。この火災の間、さらに大量の有害物質が飛散したはずです。
 「ごみ処理広域化」は、ごみ処理の全段階が危険となります。ガス化溶融炉や灰固化施設の危険性は、爆発、火災事故が各地でおきていること、ダイオキシンなど有害物質の濃度超過問題などで、いまさら注意を喚起することもないでしょう。問題は、「リサイクル」のふれこみで建設される廃プラ処理施設。実はこれだって、ガス化炉と同じ様な危険性―毒ガス発生―を秘めているのですが・・・・・。
とにかく、危ないものは拒否しよう! おいしい話にはご注意。2010・7・22

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/